九度 ページ11
炭治郎side
俺は任務に出ていた。
とある山で大勢の人間が殺された、という
鎹鴉の連絡を受けて、その山へと入山して暫く。
鬼が俺に襲いかかった。
この鬼は異能持ちで、刺激臭を纏う鬼だった。
だから、鼻の効く俺にはかなり堪える相手で、
苦戦を強いられていた。
炭治「ハァッ……ハァ!
(禰豆子が箱から出てこない……
刺激臭は鬼にも効くのか……!体が痺れる!)」
鬼《グォォア!!》
炭治「(しかもこの鬼は、禰豆子と同じで言葉を発しないっ。
とても行動が読みづらい………!)」
次の動きが読みづらい、まるで獣のような鬼だった。
背負っている箱の中の禰豆子からは
苦痛の匂いもしたことから、禰豆子にとってもこの刺激臭は
辛いものだと分かる。
俺も手足に力が入らないような痺れがある。
一刻も早く、勝負を決めなければならない!
でも、攻撃を防ぐだけでも大変だ。
隙の………隙の糸を見出さないと!!
鬼《グォォア!!》
炭治「くっ、う!?(しま、──)」
鬼は考える暇も与えてはくれない。
隙を作ってしまった俺。俺の手を鬼は蹴り上げ、
その衝撃で俺は刀を手放してしまう。
刀が宙を舞った。
だ、駄目だ……!攻撃を受ける!
体勢を、!受け身を取らなければ!!
けれど、俺の防御よりも早く、
空中から何かが落ちてきて、
目の前の鬼はその落ちてきた何かに襲われた。
ドゴォォオオ!!
炭治「!?なんだ、!?」
鬼《ガァァッ!?》
??『…………大丈夫だ。私が、止めてやろウ』
いや。落ちてきたのではない。
降ってきた訳でもない。ソレは、もう一体の鬼だった。
間違いなく鬼の匂い。人の匂いじゃない。
なんて早さだ……全く見えなかった。
その鬼は俺を襲っていた鬼の頭を押さえつけ、
そう呟くと、空いているもう一つの手を使って
地面に手を叩きつけると、地面が盛り上がって
鬼を身動きが取れなくした。
血鬼術か!?地面を操る鬼?
いや、地中に“埋まっていた動物の骨”を
操っているようにも見えた。
動物の骨からあの鬼の匂いがしたから、
骨を操る鬼なのかもしれない。
俺を襲っていた鬼は骨に体を絡め取られて、藻掻いている。
??『そこの』
炭治「!」
??『鬼狩りなのだろう。頸を落とせ』
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年4月18日 21時