一度 目覚め ページ2
・
ある時から、私の中に何かが芽生えた。
それは何なのかは分からない。
分かることは、ある日を境に………
私は死んで、蘇るを繰り返していることを自覚し始めた事だ。
いや………蘇る、という言葉には当てはまらないだろう。
私は死んで【生まれ変わる】という感覚を覚えたということ。
気がついたら生きていた。
気がついたら、鬼としてまた生きていたのだ。
血鬼術も使えない私が、
鬼として生と死を繰り返している。
どういうことかなんて、私が聞きたいくらいだ。
勿論、鬼としての自覚はあるが、人だった頃の記憶がない。
必ず死んで気がついたら“鬼”になるのだ。
わけがわからない。
しかし何故か、それには意味が
あるような気がしてならなかった。
まるで、生かされてるかのような。
無惨様はこれを知っているのか?
全ての鬼の祖である無惨様は全ての鬼の思考が読める。
だが何故だ。細胞による無惨様からの命令が最近聞こえない。
何故だ。何故私はここに居る………?
意味を知り得ないままに、力のない私はまた、
鬼狩りと呼ばれる剣士に斬られ、太陽で焼け死んだ。
・
65人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年4月18日 21時