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それでもやはり、愛しく思ってしまうのだ。
俺は人を憎みきれない。
どうしても、愛しいという気持ちが勝ってしまう。
何度、願ったか。
きみの手を掴み、引き寄せ………この腕に閉じ込めて。
──“行くな”と言いたくなったか。
辛かった。きみを守りたいのに、俺は山姥切程の力はない。
山姥切が羨ましかった。
俺に出来ないことが、あいつには出来るのだから。
だが。
きみを困らせたくない。悲しませたくない。
いつまでも笑っていてほしいと願うばかりで。
結局のところ、俺はどんな状況であっても
きみを愛しいと思う気持ちは変わらないのだ。
でも、そんな俺にきみは………
“自分が必要だ”と言うのか。
鶴丸「…………。(そう、か)」
『………？つる、まる、さ………？』
一度だけだ。
一度だけ………許してくれ。
その言葉が、どれほど嬉しい事か。
まだ、俺にはきみを守れる力があるというなら。
捧げよう。愛しききみに、俺の全てを。
鶴丸「分かった。きみのことは、俺が守る。
俺はいつでも、きみの味方だ」
俺は、彼女の目を手で覆った後。
鶴丸「(好きだ──)」
彼女の目を、覆った自身の手の平に口づける。
直は流石に可哀想だ。
きみはそれを望んではいない。
きみは、俺のこの気持ちを知らなくていい。
これだけで、いい。
嗚呼………切ないな…………
この瞬間に、俺の中にあった愛しい何かが壊れた。
辛いな。やはり。でも………その言葉に救われた。
だからもう、いい。
ゆっくりと手を離すと、
Aは何が起きたか分からないような顔をしていた。
『(あ、れ。今………何か………)』
鶴丸「…………？A、？」
手を離して後。
何故かAはポロポロと涙を流していた。
な、なんだ………？何故泣いているんだ？？
鶴丸「どうした！？」
『、…………今、聞こえて………貴方の、声、が』
………あー。
しまったな。そういえば”聞こえてしまう“力が
Aにはあったんだったな………
泣かせるつもりじゃなかったが………
やはり、俺では駄目だな。
鶴丸「………、聞こえちまったか………困らせたな。すまない」
『ｯ…………』
鶴丸「さあ、契約を。きみの力となれるなら、
俺は喜んできみに力を貸そう」
あぁ………
………綺麗な、涙だなぁ……
鶴丸side〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - 華凪さん» コメントありがとうございますー！これからも頑張ります！ (2022年11月1日 20時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
華凪(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎日愛読させていただき、更新をいまかいまかと待ち構えておりました。長い連載お疲れ様です！次の作品もすごく楽しみにしております！大変かと思われますががんばって下さい！これからも冷泉雪桜様の作品を楽しみにしております！ (2022年10月29日 22時) (レス) @page39 id: a45e30bab6 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 無事に完結致しました！皆様のおかけでございます。これからもよろしくおねがいします。 (2022年10月27日 20時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2022年9月19日 12時
