五色兄妹物語*6

物語255話 ページ45

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工「喧嘩すれば長いのに」


『仲直りするのは一瞬だよね』



昔からなんだよね



喧嘩すれば
1日2日はお互いピリピリしてて


3日4日すればお互い気にしてソワソワして


1週間が経てば、お互い反省して


あとは私と工のタイミングで謝っておしまい。



けど、徐々に1週間で済まなくなってる

今回は3ヶ月、長すぎ


もう次は1年は会えなくなったりして……



そんなの無いよね、工。



…



−工side−




『工、ごめんね』



そう言って泣くAを見ていると、何だか胸を締めつけられる


突然泣かれたので、どうすればいいか分からず


俺も謝った。



昔からそうだ

Aと喧嘩して、いつもAが泣いて謝ってくるから

俺も自然とごめんって言える


罪悪感からくるものなのかも




あと、無性に抱きしめたくなる

普段からしょっちゅうやってたけど、Aが泣いたときは何故か特別な感じがする


それは笑顔にさせたいって気持ちからくるものだと思う。




今、俺の腕の中にいるのが

正直信じられない


本当はずっと会いたかった


こうして抱きしめたかった。



小刻みに震える肩が


背中におそるおそると回る細い腕が


揺れるサラサラの髪


小さな顔、耳が紅く染まって



それをじーっと眺めて、離したくない。と感じた




それも一瞬のことで

次の瞬間から、脛の激痛にほぼ意識が痛い!!にしか集中しなくなる。
　

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