五色兄妹物語*6

物語235話 ページ25

.



散々愚痴こぼして

スッキリした私


その反面宇内さんは


ぽかーんと開いた口に手をあてて目を見開いてこちらを見つめる



『宇内さん?』


宇「高……3? だよね? 18歳かな!?」



頼むそうであってくれといった表情で訴える宇内さん



『高校1年で、15歳です。』


宇「ファーッ!!!」



そう叫んで、正座して


土下座へと徐々に頭が下がる宇内さん



『どうしてまた頭下げるんです』



宇内さんの前に膝をつく

肩に手を置けば顔を上げて私を見た



宇「いやだって」


『だって、なんですか』



宇「俺二十歳、兄貴その2つ上の22歳…

　君はまだ高校生の15歳の子ども」


『子どもじゃないです』



たった5歳差、されど5歳差


けど、子どもに見られるのは好きじゃない



宇「本当に申し訳ない、まだ高校生なのにこんな話に
　勝手に巻き込まれて嫌だったよね


　うちでもこの縁談の話聞いたんだけど、実は兄貴…
　とゆうより父さんが君を気に入ってるんだ」


『はい?』



なんだそれ、もっとキモい



宇「今日俺がここに来たのは、「この際お前でもいい
　からこの縁談はそのまま進めろ」って言われたから
　なんだよね…」



まって、とゆうことは…



宇「多分今ごろ、家に電話入れてるんじゃないかな
　君のおばあちゃん

　俺のことも多分代わりに弟が謝罪しに来たとだけ
　認識してるのかも」


『……』



今日のお見合いは破談だと思っていたのに


ほっとして、涙が出るくらい安心したのに



まだ終わっていなかったのか!



『嫌です。 私、こんなのなら一生結婚なんてしない!

　なんなら今すぐ私逃亡します! おばあちゃんには
　黙っててくださいさようなら!!』



そう言って立ち上がった瞬間



ｸﾞｯ


『!!』


宇「わっ」



着物の裾を踏み

前へと、宇内さんの上に倒れ込んでしまった



咄嗟に受け止めようとしてくれたものの


私が宇内さんに衝突、腹負傷

宇内さんは顔面強打


私はそのまま倒れ壁に顔面強打


宇内さんは横に倒れ、

そのまま崩れ落ちた私が膝でお腹を踏んでしまい「ぐぇえ!!」と呻き声を発し


…今に至る



『〜っ…』


痛い



宇「いっだぁーっ…」


ほんと、ごめんなさい。

　

物語236話→←物語234話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す