【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？2【d!】【軍パロ】 (ページ34)

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俺より少し遅いか、同じぐらい。それ程のスピードで男はこちらへと一気に距離を詰める。俺も咄嗟に動こうとしたが、先程の毒の影響か走り出すことは出来なかった。

一直線にこちらへと向かってくる男に弾丸を数発。接近戦ではリロードをする暇がないのであまり無駄撃ちはしたくないが、しょうがない。ばす、ばすと空へダイブした弾丸達は地面に突き刺さっていた。

俺の首目掛けて振りかぶってくるナイフを持っているナイフで受ける。幸いにも残りの1本なのか、近接武器がこれ以上増える気配は無い。

ジリジリとナイフを押し込まれ、ズズ、ズズ、と林の方へ１歩１歩近くなっていく。ここなら外さないだろうとハンドガンを少し動かしただけで、男はすぐに距離をとった。そのまますぐに足を狙って撃つが、当然避けられる。何発か撃つと、ガチガチと弾切れを起こしたので親指で操作して弾倉を抜く。ホルスターに一旦戻しつつ、今度は逆に距離を詰める。きっとアドレナリンが出ているのだろう。毒でふらつく体も気にせず、ナイフ片手に走る。途中で弾倉を入れ直し再びハンドガンを構える。

「欲しいなぁ」

男がそう呟いたのを、俺の耳が拾った。と、何か鈍器で頭を殴られた。

ばたりと地面に倒れる。一切体が動かない。冷や汗がタラリと地面に落ちた。

多分俺はこのままだと死ぬ。
それは別に良い。いや、良くは無いがこの際そんなことを言ってはられないのだ。

が、それではこちらの気が済まない。最後にムカつく男の面でも拝んでやろうと、目玉をなんとか動かして男を見る。

「あは、何その顔かわい～」

男の顔は酷く歪んでいて耳まで真っ赤にしており、瞳は蕩けていた。