【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？2【d!】【軍パロ】 (ページ24)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:7,515 hit

70 ページ24

そのままコネシマが雄叫びのようなものをあげて彼へと斬り掛かる。雑な攻撃にゾムがぽかんと口を開ける。一撃一撃が重たく、精神が磨り減るような攻防戦が続く。彼は汚く笑っていた。

『はぁ、オモロ。まぁじで君が他人の為に己の身を酷使する意味が分かんないんだよねぇ。滑稽滑稽』

戦闘中、互いに刃が交わう。舌を噛むのも躊躇わずに彼は汚く喋っていた。

彼の口からぱたりと血が滴った。

『ありゃ、舌噛んじゃったか』

その一瞬の隙をコネシマが見逃すはずもなく、心臓でも突いてやろうと勢い良く剣が振りかぶられる。

それを普通はやらないであろう、回し蹴りで彼はいなした。

『ふう、危ない危ない。血の味がしなくなったってことはそろそろ塞がったかな。ああ、ごめんね。いいよ、お気になさらず』

そう言って、彼はナイフを再び構えた。コネシマがふうっと息を吐き出す。沢山の酸素を一気に取り込むように空気を吸って、また駆け出した。

os「なあ、グルッペン」

gr「どうした、オスマン」

面倒臭く進まない書類を片手に彼らを眺めていた2人はのんびりと談笑していた。何となく見やすいように開けられた大きな窓からは、爽やかな風が吹き込み、しっかりと脇にとめられたカーテンの裾がパタパタと人間の鼓膜を鳴らしていた。

os「あいつら、何話してんのやろな」

戦闘の合間に見える口の開き方。それを見ていても遠い事や専門では無い事から、何を話しているのかまでは分からないオスマンがそう言った。彼が笑っているのにも関わらず何故か重苦しく感じる空気が理解出来なくて、オスマンは思案していた。

gr「さあ？それは俺にも分からないことだな」

そう言って、書類に必要な判を押すと、メイドが淹れた紅茶へと手を伸ばし、1口含んだ。

gr「後でトントンに聞けば分かるだろうが、少なくとも俺はあいつらの良い機会になっていると思うぞ」

gr「Aが、停滞していた俺らの新たな起爆剤になるのは間違いない。現にあんなに他人を嫌っていたゾムは絆されてここ数週間は世話を焼いていたではないか」

紅茶を飲みカップを置いて、グルッペンはそのすらりと長い指を組んでオスマンを見つめた。