【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？2【d!】【軍パロ】 (ページ3)

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そのまま会議は進んでいった。彼女は一言も喋らなかった。ただ、道化師のようにナイフをぽいぽいと上に投げて遊んでいた。それも、刃先を持ち手にして。

彼女の異常さは行動から分かる。
命を軽んじる言動。闘争心。そして、容姿。今の彼女を形容するとしたら、おかしいから始まりおかしいで終わる。彼女に普通を求めてはいけない。解らないのだから。

ピエロは人を笑わす演者である。常に笑顔でオーディエンスを笑顔にさせる。会場の温度を一気に最高潮へと持って行く。そんなプロの技をピエロという演者は身に付けている。
しかし、彼女は違う。演者ではない。素材本来の味。それが彼女だ。きっと正常な人間社会に送り込まれれば異常者として扱われ、真っ当な生活は送れず、価値観が歪み、人間として機能しなくなるだろう。ロボットのように。全ての感情を理解しているわけではない人間なのだから。

人間は脆い。だからこそ、集団で生活を営む。が、脆い人間から集団を奪い取ればどうなるか。
そんなのは簡単。無邪気な子供が遊び古したおもちゃのように壊れてしまうわけだ。四肢のもげた人形のように。継ぎ接ぎだらけの洋服のように。
解る感情だけを切り取って、あまりにもたくさんな知らない感情を知らないままに置き去っていく。100ある内の1だけを見て全てだと決め込んでしまう。1しか知識として知らないのだから。

彼女の人生は最初から最期だった。