【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？2【d!】【軍パロ】 (ページ17)

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『武器を選ぶことが出来る場面で態々シャベル選ぶなんて、馬鹿げてるでしょ』

彼に背を背け、じっくりと見つめるシャオロンのその手には既にシャベルが握られていた。そのシャベルを手に取るまでさほど時間はなく、特段悩む素振りも見せなかったシャオロンに彼は呆れた言葉をかける。半分嘲笑、半分理解不能の音が混じったその言葉は常人であれば、もっと困惑に塗れていたであろう。そうであるはずなのに、困惑が半分であるのは、彼が場数を踏んでいるからか、ただ単に頭が可笑しいのか。どちらもであるのが現実であるが。

sha「うるせ。俺にとっちゃあ、シャベルが使い易いんですぅ」

口を尖らせ、唸るようにそう言い放つシャオロンは左肩をごきりと鳴らし、右腕で遠心力を感じながら、シャベルを振るう。シャオロンの周りの空気がぶうんと鳴った。
鬱が放った空気もそのままに、ふんふんとシャオロンが鼻歌を紡ぎ出す。創り出された空気はシャオロンによって、破壊を招かれた。

ゆるゆると、簡単に見れば壊れている雰囲気と相対して高まっていくのは周りの緊張で。

誰かがぐびっと生唾を呑めば、シャオロンがたっと駆け出した。

審判が何かを言うよりも早く、シャオロンのシャベルが振り上げられる。そのまま、勢いよく下へと打ち付ければ何も無く、単調な攻撃に彼は呆れたように、馬鹿が乗り移ったかのように笑えば、下衆な表情をちらっと見せた。

sha「はぁー、誰も彼も俺の煽りキャラ取ってくのなんなん？煽りキャラ返せやコノヤロウ」

額に青筋を浮き出たせ、怒気のこもった迫力のある声でシャオロンが唸れば、仲間である幹部達は盛大に笑った。ショッピに至っては腹を抱え、目に涙まで浮かべて笑っている。誰よりも1番笑っている姿に、また幹部達はツボにハマった。