【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？2【d!】【軍パロ】 (ページ14)

今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:7,530 hit

60 ページ14

『あは、なーんだ』

1歩、いや、半歩。彼は少し足をずらしただけでそれを避けて見せた。ひらりと舞ったスーツの端が、なんとも彼を儚く魅せた。彼のちろりと覗く舌、がぶりと今にも喰い破りそうな犬歯が彼を捕食者に仕立てた。

ut「なんや、分かってたん」

ケラっと笑う鬱とあはっと嗤う彼。なんとも異質者同士であって、なんとも下賎な者同士だったのだろうか。類は友を呼ぶと言うが、ここでもその効果は発揮されていたようだ。

『別に？知ってたら避けてないよ』

まあ、本物でも大したことないんだけど。どうせ。

ut「ふーん。ごめんな、僕男には興味ないねん」

鬱はいつの間にか手にしていたナイフを持って走る。体力のないように見える鬱がやはり、汗をダラリと垂らしながらケタリと笑って振りかぶった。

『んふ』

は。ず。れ。

さらりとナイフを取られ、彼は鬱の後ろへと回った。鬱は軽く舌打ちをすると、知っていたかのように拳銃を手に取る。どちらが先か。

ぎらんっとナイフを見た。ふっと意識が無くなったかのように興味を失えば、すぐさまに捨てた。そして、鬱と同様に拳銃を手に取る。ぬるりと拳銃に手が馴染んでいた。

ぽんっと軽い変な音が鳴る。それと同時にぱこんっと先程と同じ様な音が立て続けに2つ鳴った。