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「生まれたときから私を守ってくれた。大切な人のために、残った自分の視力を捧げた。目が見えなくなろうと、死に行くその日までお母さんは戦った。人の戦争を止めるため、家族を守るため。」

イシュタル「...あなたと同じね。一つ違うのは、愛という経験の差かしら?」

「うん。まあ直接戦うことは少ない方だったらしいよ。指揮系統はすべてお母さんに委ねられて、兵士たちは怪我こそはするけど死者は全く出なかった。まさに天才の所業!」

イシュタル「...」

「...イシュタル?」

イシュタル「なんか微笑ましいなって思ったの。ここまで仲良しの家族なんて、初めて見たわ。」

ケツァル「よく見てないようで、幼い頃からしっかり親と向き合っている。とても素晴らしいことデス♪」

イシュタル「あなたは恵まれない人生を送りそうになったけど、大切な人たちがあなたの人生を彩った。恵まれたものにしてくれた。それに感謝しなさいよ。」

「うん!...英恵お兄ちゃんと有馬おじいちゃん...ベルクーリおじいちゃんも死んじゃったけど、三人からはいろいろ託されたから。だから意地でも生きていくよ!絶対に!」

イシュタル「...ええ、そうしなさい。」

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作者名:琲世 | 作成日時:2021年3月4日 23時

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