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「...やめ、て。」
ウルクでいつも笑顔でいた人たちが、殺し合っている。
「やめて...お願い...」
キングゥは私をラフムに任せた。調子に乗ったラフムを制圧すると、そう言って。矛盾した行動だけど、確かに任せられるのはラフムしかいない。
ラフム「アハハ」
「...やめてよ...」
毒のせいで動けない。目の前で人が死ぬのを眺めることしかできない。
騎士として民を守ると誓ったのに、それなのに____
イシュタル「あったまきた!!!温存していた神性最大出力で、あの怪物たちを吹っ飛ばす!!!」
「...イシュタル...?」
学秀「あれは...A!」
「...たす、けて...じゃないと...私も...!」
ラフム「シーネ!シーネ!」
「死にたくない!!!助けて!!!」
____見慣れた、最悪の人の攻撃。
殺されそうになった私を助けたのは、大好きな人たちではない。彼だ。
キングゥ「何をしている。旧人類を集めて何をしているんだ、オマエたちは...!」
藤丸「...ラフムの様子があからさまに悪くなってる...」
キングゥ「ウルクを襲うまではいい。殺すのもいい。だが、何故殺す意味のない者まで連れてきた?その人間たちは脅威にはなり得ないというのに。新しいヒトに無駄な行為は許されない!オマエたちの行動はあまりにも愚かしい!」
「...きん、ぐぅ...」
キングゥ「怖かったね...大丈夫、ボクが守ってあげる。ラフムと心中なんて、キミも嫌だろ?」
「...」
キングゥ「認めたくはないが、母さんは眠りから覚めたばかりで手を誤った。オマエたちは欠陥品だ!ゴルゴーンの魔獣にも劣る!」
ラフム「...」
キングゥ「まあいい。分かったのなら下がれ。屑のように居るとはいえ、同じ母から生まれた兄弟だ。むざむざ殺させる訳にはいかない。」
「...ちが、う。あなたは...エルキドゥ。」
キングゥ「は...?キミたちがボクを否定したんじゃないか。ボクはティアマトから生まれたんだよ?」
「そうだと、しても...その体は、エルキドゥそのもの...冥界に...遺体がなかった...それが証拠...」
藤丸「...!」
キングゥ「何故キミが知っている!?」
「...一度...死んだから。」
キングゥ「...それでも構わない。ボクは母さんに命を与えられた、母さんの息子なのだから。ティアマト神のために動く人形、それが」
ラフム「シャハハハハハハハハハ!」
キングゥ「...何がおかしいんだ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年3月4日 23時