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____一日前、カセドラル100階

クィネラ「シーリ...シンセサイズは禁断の神聖術です。私に神の教えを破れと言うのですか?」

「...雁は無数の屍を生み出します。その軍勢に恐れたくない。それに私は死の直前、大切な人をいつも思い出してしまう。躊躇も何もできないよう、この記憶を消していただきたい。」

クィネラ「確かに、あなたの父上と話せばそれは可能です。記憶は結晶として保管させていただきますが、再び戻るかわかりませんよ。強さを代償に記憶を失うなんて...私には耐えられない。」

「覚悟の上です。この任務が終わったら、私にシンセサイズを施してください。」

クィネラ「...せめてあなたが少しでも記憶を取り戻せれるよう、私も現実世界に向かいます。」



これは、小さな彼女との約束。

大人になった私は、国を統率することを覚えた。彼らを守ることを覚えた。

...笑えてしまう。一人の騎士を守れないくせに、管理者と名乗る自分が恥ずかしいのだ。

クィネラ「こんにちは。」

英智「...君はアドミニストレータ、ではないんだね?」

クィネラ「はい。スレイヴ様に正しく導かれ、正しく生きることを望んだ者です。」

英智「ならよかった。アドミニストレータは僕の姉を何度も傷つけたから、ちょっと地雷でね。」

クィネラ「もしも皆様が望むのなら、仮面をつけても構いませんが...?」

夏蓮「いいの。あなたに罪はないんだから。」

彼らの姿は見えないけど、彼らが生きているということだけは確認できる。

...もし叶うのなら、記憶を消すぐらいなら...ずっとそこにいてほしい。

.→←大切な人との記憶



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作品ジャンル:SF
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年2月28日 15時

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