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異世界に迷い込んでしまったお嬢様を守る、最後の剣士...私は敵対者になった方が相応しいだろうに。
何故彼女はこんなことを提案したのだろう?他にもっと活躍できる場はあるはずなのに。
李「っつーか、アリスなら剣士じゃなく騎士だろ...」
紫之「そんな口調もできたんですね。」
李「えっ?」
紫之「いつもの丁寧な口調、崩れてましたよ。」
李「...不覚です。油断しました。」
...こんなところで誰かと話している場合じゃない。当日に備えて、ある程度のレッスンを行わなければならない。今失敗すれば恥を晒すことになる。
紫之「李、ユージオ先輩には自分の想いを伝えましたか?」
李「伝えれるわけがありません。素直になってほしいと伝えれば、彼は間違った道を歩むかもしれない。騎士もアイドルもやめて...逃げ出すかもしれない。」
紫之「...そうですね。でも李、思いは伝えないと後悔しますよ。僕みたいに。」
李「君が後悔?高校生にしては大人びてますね。」
紫之「同じ時間を繰り返して、それなのに何度も選択を誤って...一度はRa*bitsが解散した過去もあります。」
李「...」
紫之「僕もアイドルを愛している。アイドルが消えていくという事実に、僕は耐えられない。だから...あの人に戦う者として、皆に希望を与える人として生きてほしい。それを伝えるのはあなたです。」
李「まるで私と君が同類かのような発言ですね...何故そう思うのです?」
紫之「友達ですから、あなたがわからないことまで知ってますよ。」
李「...私が友人?」
紫之「何か間違ってますか?」
李「...自分は犯罪者です。こんな私にも、友人がいるんだなって...感動しちゃいました。」
紫之「ふふっ、たくさん感動してくださいね♪」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年2月23日 8時