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煌「...英恵、お前はあの荒覇吐事件の目撃者だっけ?」
英恵「まあな。三年前...あの日は最悪だったよ。たまたま観光に来ていた横浜で、すぐ近くから爆風が襲ってきた。俺の目の前に確かにいたよ...その化物が。」
煌「...」
英恵「これ以上は機密情報。知りたいなら俺が死んだ後に調べとけ。」
煌「はいよ。」
俺たちはあの抗争で生き残った。関東の犯罪組織たちが横浜に集い、俺と英恵はマフィアに雇われて人をたくさん殺した。立ち向かう者は女だろうと子供だろうと、容赦しなかった。
...キリトたちも薄々気づいているのだろう。だが俺たちは知らないフリを続けて、日常を過ごしていた。
英恵「俺は一回帰るわ。菊岡に呼び出されたんでな。」
煌「また戦争?」
英恵「...Aが産まれた頃より国は豊かになった。だがその分、殺す必要のある人間も増えちまった。生きづらい世の中だな。」
煌「...そうだなぁ。」
成り行きで殺し屋になっちまったが、その人生を後悔したことはない。
でも、先の未来は誰にもわからない。死んでほしくない人が死ぬことなんて、日常茶飯事だ。...大切な人の死を見たら、俺の心は揺らぐのだろうか。
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年1月23日 9時