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英恵「おっ、ここは知ってるぜ。あれは十年以上前だったかなぁ...馬鹿たちとここに観光に来たことがある。赤レンガ倉庫、こいつがよく目立ってたぜ。そっから四年間はこの近くで暮らしていた。」
鏡花「...そうなの?」
英恵「ああ、仕事の関係だったがな。太宰と中也と出会ったのも、椚ヶ丘に帰る頃だったかなぁ...俺よりちょっと年下のガキが、あんなに頑張ってよ。」
敦「二人の過去を知ってるんですね...あれ、鏡花ちゃん?」
鏡花「...地図には載ってない...食べたい。」
敦「クレープ...えっ!?さっきあんなに湯豆腐食べたのに...」
鏡花「別腹!」
...あの日、二人が死んだと思った異能力者を匿った。
そいつの怪我は深く、今も目覚めたという連絡は届いていない。今すぐ治療を諦めれば楽になるだろうが、何故だか見捨てるのが怖かった。
英恵「...蘭堂、お前は存在したらダメだ。でも誰かに許されるその日まで、俺が必ず...」
鏡花「英恵、クレープ。」
英恵「...俺は甘いものが苦手だ。」
鏡花「甘いキスをたくさんしたって聞いた。」
敦「そ、それとこれは違うと思うけど...」
英恵「わかったよ、食べてやるよ。大人になったらテメェも甘いのをくれるんだろうな?」
鏡花「うん。」
敦「ダメダメダメ!そういうのは...!」
英恵「からかっただけだ、クソガキ。テメェもいちいち真に受けんなよ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年1月18日 19時