【村正が三十七振り】 ページ37
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大太刀は一撃は重く強力で、間合いも広いが、動きが短刀達よりかは遅い…！
俺はまだ死にたくないという意思だけで、痛みを堪え、間一髪で転がり腹に穴が空くことは免れたが、横腹が軽く斬れた。咄嗟の判断だったがまぁまぁ上手く避けれて安心したのも束の間、抑えていた眼から涙の様に紅い液体がポタポタと指の間から流れ床にシミを落としていた。
ああ、もう右眼は完全に見えなくなってしまっただろう。
でも____、
「まだっ、俺は生きたい…！」
忘れかけていた召喚術に必要な詞を必死に唱え、俺は眼を抑える反対の手で強く床を叩き叫んだ。
「亜種、千子村正をｯ、ここに！ 召喚する！ ！」
一瞬で部屋は桜でいっぱいになり、風と共に現れた亜種の村正。そう、村正ちゃんだ。
背中からでも充分伝わる程強い殺気を漂わせている彼女は、背後にいる俺の姿を見て眼をカッと見開き「アナタが主さんを…！」と聞いたこともない低い声で唸る様に呟き、既に構えていた刀を握り直し、目にも留まらぬ速さで敵の懐に潜り込み、戸惑いなんて一切見せずにズバッと頸を落とし、胸を真っ直ぐに貫いた。
徐々に光の粒子となって消えてゆく大太刀。あんなにもあっさりと…倒すなんて。
身体は女の子でも、やっぱり刀なんだなぁ。
村正ちゃんは刀を抜き、血らしきものを振り払い「主さん！」と俺の元に駆け寄って来てくれた。
人の手を借りなければ俺の身体はだらんと死体の様に力が全く入っておらず、起き上がることは不可能だった。
冷たい様で生暖かい水が俺の頬を伝う。ぼんやりとする村正ちゃんの顔は、泣いていた。初めて見た彼女の泣き顔に驚き「泣くな、よ…」と言ってやった。
「でもっ、でも…！ 主さん、主さん！」
「まだ、死んでねぇ…ってば。でも、これは…まずい、な。い"っ……」
「主さん！」
両の手を強く握り、自身の額に充てて祈る様なポーズをとる彼女に俺は何も出来ずそれを見詰めているしかなかった。
そう。このままでは俺は出血多量で死 んでしまう。
薄っすらだが、部屋の外でも敵さんがいるのか、刀が打つかり合う音が聴こえる。助けを呼ぼうとしたって、こんな身体じゃ無理だし、村正ちゃんは機械類に弱いから…援助を呼ぶのは難しそうだ。
そう思った時、普段使わないネット通話の呼び出し音が空気も読まずデカイ音で鳴り出した。俺も村正ちゃんも出れない状況ではない。なのに勝手に電話は通話モードになり、正直言ってもう一生聞きたくない声がパソコンから流れた。
《死んでないな葉月！ ？》
「だ、まれ…��慎二��」
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コンペイトウ(プロフ) - 世界のバカっこ！さん» ＞＞速攻身バレ＜＜ 見て下さったんですねー！有難う御座います！(''◇'')ゞ (2017年6月25日 18時) (
レス) id: 9ff541469f (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ！(プロフ) - コンペイトウさん» 更新頑張らせていただきます！！ (2017年6月25日 17時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ！(プロフ) - コンペイトウさん» 「腰痛持ちて知られておっさん扱いされるかと思ったが援護されてめっちゃ安心」by審神者 もしかしてい「工？刀種？苦無ダけど」のコンペイトウさんですか！？わわ、私あの作品の大ファンでいつも見てます！！大好きな作品の作者様にコメントしてもらえて感激ですっ！ (2017年6月25日 17時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
コンペイトウ(プロフ) - 大丈夫です審神者さん。私去年までは〇学生だったのに今軽く腰痛持ちですから。足腰が完全におばあちゃんですから。更新頑張って下さい (2017年6月25日 17時) (レス) id: 9ff541469f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世界のバカっこ
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月19日 18時
