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「似合ってるよ。Aちゃん」
「うんうん。Aちゃんに背負われて、ランドセルもさぞ嬉しいだろうね」
「……」
「どうしたの？」
玄関に置いてある全身鏡に映る自分の姿をじっと見つめて、ピクとも動かないAちゃん。薫が話しかけてもうんともすんとも反応を示さない。どうしたのだろうか…？
漸く振り帰ってくれたAちゃんの顔は真っ青で、微かに手が震えていた。私も薫もギョッとする。慌てて「どうしんだい！？」と、目線を合わせるようにしゃがみ、頭を撫でながら震えている手を握る。ひんやりと何時もより冷たい手にまた驚いた。
「ど、しよ……言われるかな…また、言われるかな…」
「……君には、私と薫がいるじゃないか」
「でもっ、怖い……。皆んなもう知ってる……孤児って、言葉…。怖いよ…治さん…」
Aちゃんは涙目でギュッと自分から抱き付いてきた。これにも驚いたが、直ぐに抱き締め返した。
「大丈夫、大丈夫だよ」と、耳許で安心させる様に言ってあやしても、ふるふると首を振り私から離れようとしない。
どうしようと薫と目を合わせる。薫も私と同じ困った顔をしていて、お互いこの状況をどうすればいいかと頭をひねったが、中々いい案は出ない。さて、どうしたものか…。
Aちゃんは怖いんだ。自分が元孤児だということを知られるのが。そして、孤児という言葉を知っているもしれない。だから、言われるかもしれない…と。
まだ幼かったあの頃はただ母親と父親がいない子、そう言われていた。だが、もう今は…直接的な言葉で言われる。
Aちゃんの怖がる気持ちは十分わかる。でも、ここで一歩を踏み出さなければ彼女にとっても、私達にとっても駄目なのだ。
ほんの少しの勇気が、まだ彼女にないのだ。
そのほんの少しがあれば……きっと、Aちゃんは学校に行ける。だが一体如何すればその勇気を私達は与えられるのか。そもそも、勇気は自分で手に入れるもの。私達がそう簡単に与えられるものではない…。
ああ、これでは永遠ループだ。
頭を悩まされていると、隣にいた薫がAちゃんの頭を撫でながら、囁く様な声で言った。
「お友達に会いたいでしょ？ ほら、あのスーパーで会った大河内君にも会えるんだよ。それに、もうAちゃんには私達がいるでしょ？ だからね、一人じゃないよ」
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世界のバカっこ！(プロフ) - snowy0314さん» 有難うございます！完結できる様更新頑張ります♪( ´▽｀) (2018年5月4日 23時) (
レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ！(プロフ) - 翡翠さん» コメント有難うございます！前作から続けて読んでくださり有難うございます。とても嬉しいです(o^^o)はい！自分のペースで頑張っていきます！ (2018年5月4日 23時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
snowy0314(プロフ) - 話の続きが気になります！楽しみにしています！ (2018年5月4日 20時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 続編おめでとうございます。この作品は前から読ませていただいています。自分のペースで頑張ってください！ (2018年4月20日 15時) (レス) id: 44522181b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世界のバカっこ
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月15日 18時
