審神者になれた私と付喪神になれた友達…？【刀剣乱舞】 (ページ8)

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７１振り目【眠気】ページ8

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「え？え？止めちゃうの？」

「別にまだ時間はたっぷりあるのに焦る必要あるか？」

「そ、それも…そうか。うん。そうだね。ゆっくり解決していこう。この問題は」

「だな」

紙はこんのすけや短刀ちゃん達に見つからないように箱に入れて、押し入れの奥の方に隠した。きっとこれなら大丈夫だ。誰にも見つかりませんようにと祈ってはみるが…うちの短刀ちゃん達ちょっとやんちゃなところあるからなぁ。他にも光忠が布団を洗濯する時に押し入れを開けて、何かの拍子で箱が落ちたりしたら…。やばい。最悪の事態って考え出したらキリがない。また頭が痛くなってきた。

う"ー…っと情けない声を出してガンガンする頭を抑えていると、「大丈夫か？」と珍しく心配してくれる吉宗。いつもなら鼻で笑って無視するくせに…意外だ。
素直に頭が痛いと告げれば少し待てと座椅子に座らせられ、せっせと布団を出してくれる吉宗に思わず目を見開きそうになる。本当に今日の吉宗くんはどうしちゃったんだ。突然優しさがカンストしたのか？そうなのか？そのままカンストしたままでお姉さんずっといて欲しいなぁ。なんて言ったら、布団どころか今座っている座椅子を私ごとひっくり返しそうなのでキュッと口を噤んだ。

「薬研に薬貰って来てやるから大人しく寝てろ」

「吉宗ビックリするくらい急に優しくなったね。主惚れちゃうよ。顔もいいから倍惚れちゃう」

「薬よりも裁縫道具の方がA様はご所望らしい。その口縫ってやるよ。吉宗様が直々に」

「優しくしてね」

「めんどくせぇ」

「ノリ戻ってきて」

私が布団に入ったのを確認してから部屋を出て、薬を貰いに行ってくれた吉宗の足音がだんだん遠ざかっていく。前とは違って、大きな足で床を踏む面積も広いから、普通の人より長く聞こえた足音。なんだかその音に心が落ち着いていく自分がいた。

眠る気はサラサラなかったけど、自然と瞼が重くなってきて、本日何度目か忘れた眠りにつきそうになる。吉宗が寝ている私を見たらせっかく薬持ってきてやったのにと怒るだろう。ごめん。でも眠気には耐えられんのよ。人間ってものはさ。吉宗だって授業中ウトウトしてたことあったでしょう？あれ？それ私だっけ。まぁ、どっちでもいいや…。

眠気に身を任せた私は、ほんの数秒で意識を手放した。ふかふかの布団が気持ちいいなと、子供のような感想を抱きながら。