13話 ページ13
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「Aちゃんのクラスは…バトミントンか。Aちゃんこそ行かなくていいの？」
「わ、私は、その…」
先輩を見ていたいからなんて、口が裂けても言えない。必死に言い訳を考えていると二郎先輩は「もしかして」とにやっと意地悪い笑みを浮かべた。
「な、なんですか？」
「俺のこと、見てたから…とか？」
「ちちがっ、う…うう、」
「……マジか」
まさかドンピシャで当ててくるとは思わず、図星をつかれた私はその場で項垂れてしまった。どんな反応をしても無駄だと悟り、これ以上何も気づかれないよう顔を膝に埋めて隠した。
先輩と私の間に沈黙の気まづい空気が流れる。下げてしまった顔をどのタイミングで上げればいいかも分からず、今すぐこの場から逃げ出したくなった。穴があったら入りたいし、できるのなら砂になって風の力で遠い場所に飛ばされたい。
｢あ、あのさ｣
｢…はい｣
｢Aちゃんにだったら、見られてても俺はべつに気にしねぇから｣
｢えっ、｣
顔を上げると同時に何かが上から降ってきて咄嗟にそれを掴み、慌てて視線を先輩が居たはずの場所に戻すが先輩はもうコートに行ってしまっていた。
さっき顔の上に降りかかったものを見ると、先輩の腰に巻かれていたジャージの上着だった。
これは、着てもいいってことなのかな？ で、でも、1年と2年じゃラインの色が違うから先生にバレちゃうし、それに絶対にこれ大きいと思うし…。もうこっちを見ることはないとは分かっていても、一ミリ程の期待を込めて先輩の方を見ると先輩の視線がこちらに向いていてドキッと胸が高鳴った。
｢あっ、あの、これって｣
｢お、俺は暑いからやる！ 風邪引かれたら困るからな！｣
｢後輩ちゃんに休まられたらじろー学校来る意味無くなるもんなー｣
｢勝手なこと言ってんじゃねーぞ！｣
｢寒かったんだろ｣と聞こえた声。間違いない。それは先輩の声で、先輩は上着を羽織るようなジェスチャーをして笑った。そして私に手を振って、試合前の挨拶の列に並んでしまった。
学年が違うからラインの色も違うし、先輩と私では体格差が全く違うから、いざ袖を通してみてもぶかぶかで、着ているというよりも服に着せられている感じだ。
恥ずかしいけど、大好きな人のものをこうして貸してもらえたことが嬉しくて、だから授業が終わる頃にはまるで自分のもののように着ていた。
着心地が良かったのはもちろん、少し変態じみているが…先輩の匂いがすごく心が落ち着く香りで、洗って返すとは約束したけどしばらくは返したくない…かも。
続く (更新停止中)
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幽々華(プロフ) - アオハルやー！！！かわええ！！すき！ (2021年1月16日 19時) (
レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
シオ(プロフ) - 実は前から見てて面白いなと思って何回も読み返してます！！コメントする勇気が無くて今更何ですけど…！！頑張ってください応援してます！！ホントに今更すみません！！コメント失礼しました！！ (2020年3月12日 13時) (レス) id: ecf617ad4f (このIDを非表示/違反報告)
マロカン - コメント失礼します！ すみません尊いです(( 尊すぎて禿げそうです← これからも更新頑張ってください！続き、楽しみにしてます！ コメント失礼しました！ (2019年1月3日 23時) (レス) id: 2a1532ad88 (このIDを非表示/違反報告)
XDDDD - わー！！！だめだ。これは高評価を押さざるを得ないよ！！二郎がかわいすぎる、、、！！おうえんしてるよ！！笑 (2019年1月1日 23時) (レス) id: 8d999ddc14 (このIDを非表示/違反報告)
観音坂とよ(プロフ) - おもしろいです！がんばってください！ (2018年12月29日 23時) (レス) id: cf15bbc5d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：id | 作者ホームページ：
作成日時：2018年11月19日 16時
