No.71 ページ23
「…もういいぞ。」
私からそっと離れると上司は一息ふぅ…。と息をこぼした。
「…。」
焦りからか何なのかわからないが、心臓が走った時みたいにどくどくと音を鳴らす。
血液が熱い。逆上せるかもと思う位に熱く感じる
こんな顔…見られたくない。
……元を辿ればこの上司が悪いけど…でも、一応助けてくれた訳で…。
自分の中で謎の言い訳をしながら、俯いたまま「あ、ありがとうございます…。」とボソッとお礼を言った
「…我儘に付き合わせたんだ。これ位は当然だろ。あと、あの子達にはすこしばかり協力してもらったんだ。
……今度弟さんとあの子…紹介しろ。あの子達にはお礼を言いたいしな。」
えっ…。と声を漏らして顔を上げる。上司は今度は私から顔を背けてそう言った。
協力…?
私は疑問に思った事を尋ねるが「俺から言うつもりは無い。」と言われる
「…ほら、弟さん待っているんだろ?早く入れ。明日は実家から会場に行くのか?」
「え?あ、はい。」
「…なら午後に迎えに行く。待ってろ。」
そう言って、上司はおやすみ。と一方的に言って歩いていってしまった。
「ちょっと…!降谷さ…!…何なの一体。」
いつもおかしいけど今日は一段とおかしい上司に私は首を傾げる。
とりあえず実家の扉を開けて、ただいまーと声をかけると
「…ったく。家の前でイチャつくなよ。」
家の壁に寄りかかり、ジト目で睨んでくる快斗がそこにいた。
「…やっぱバレてるか。あれはね…いきなり…。」
言い訳をしながら靴を脱いで上がる。
「…俺はわかっているけど、青子は黙ってねーぞ。そーゆーネタ、女は好物なんだろ?すーぐ食いついてくる。」
あー、俺の嫌いな魚みてぇだ。と言う快斗に私は盛大にため息をついた。
「意味わからないよもう…。」
私はイライラしながらそう呟くと
「ま、明日の打ち合わせと愚痴は聞いてやるよ。とりあえず青子がAの分の飯用意したから食べろってよ。」
テーブルには一人分の夕飯が用意されていた。
「やった。作らなくて済んだ。」
久しぶりの青子ちゃんの手作り料理だ!とテンションを上げながらスーツから着替えるのに元私の部屋に足をバタバタと運んだ。
「…全く。世話の焼ける姉ちゃんだな。」
そう言って呆れながら笑っている快斗がいたのはこの時の私は知らない。
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とろろ - いいところで止めないで!続き待ってます! (2023年1月21日 17時) (レス) id: f76190de27 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 更新待ってます!お願いします!! (2022年9月23日 2時) (レス) @page36 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
亜莉沙(プロフ) - 続きがすごく気になりす…!!是非お願いします!!!! (2022年5月18日 2時) (レス) @page39 id: 7ba5f4dac6 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年4月26日 4時) (レス) @page39 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
W.m(プロフ) - とっても面白いのでもう5周ぐらいしてしまいました。更新楽しみに待ってます! (2022年4月23日 21時) (レス) @page36 id: 63cab791a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アレン | 作成日時:2018年5月31日 4時