第２話 ページ3
パラパラと予約帳を眺めているとエプロン姿の母さんが籠に洗濯物を入れて歩いてきた。
母｢Aー。暇ならコレ干すの手伝ってー｣
『はーい』
すると作業着姿の父さんもやってきて｢ソレ終わったらちょいと手貸してくれ｣と言ってきた。
きっといつも通り力仕事だろう。
私は｢おーけー｣と軽く返事をし、母さんの後を付いて言った。
パンっと軽くタオルを叩いて伸ばし、洗濯バサミに挟む。
さっきまで曇り空だったけど今は青空が見えている。
心地よい風がふいて髪の毛を揺らした。
母｢ねぇA｣
『どうしたのお母さん』
母｢本当に大学行かなくて良かったの？｣
母は少し眉を寄せて困った顔をした。
『大丈夫だって何回も言ってるでしょー。
今父さんと母さんしか居ないんだから私が手伝ってやんないとね』
母｢A。。｣
『ま、そのかわり？先日私は20歳を越えたので？飲みに付き合ってもらいますけど？』
母｢ふふっ。じゃあおつまみ用意しなくちゃね｣
母さんは相変わらずの年齢を感じさせない笑顔を見せると再びタオルを干し始めた。
父｢A！終わったかー？｣
母さんと２人で軽く木の下でお茶をしているとさっきとは違いコックの格好をした父さんが宿舎から出て来た。
『うん、終わったよー』
父｢じゃああそこに置いてある椅子直してくれねーか。さっき野球の子供にグラグラしてるって言われちゃってよぉ｣
父さんの指さした方を見ると５個椅子が重なっているのを見つけた。
あれは食堂の椅子か。結構古いもんね。
『おけ、直しとくから休んでな』
父｢ありがとなー｣
『そのかわりに今日飲みに付き合ってもらうから』
父｢おっ、いいねぇー｣
元気な父さんを見送って椅子が積み重なっているところにいく。
１個ずつ観ていくと脚の長さがあっていなかったり釘が出ているものがあった。
腰に付けている道具袋的なものからトンカチを取り出し、側にあった道具箱からノコギリを取り出した。
ギコギコと音を鳴らしながら椅子の脚を切っていく。小さい時からこの手の作業はやってきたのでもう慣れたものだ。
そんなこんなで修理を終えて、夕食の準備が終わっているであろう食堂へ向かう。
客がいたらお客様優先なので夜中に食べることになってしまうが、今日は客が誰も居ないので食堂で食べる。
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らおう - 宿屋の人はこんなにもお客さんと距離を縮めるものでしょうか？ (2021年6月19日 16時) (
レス) id: 167c20847a (このIDを非表示/違反報告)
希(プロフ) - 稲荷崎がいない泣 (2021年1月24日 22時) (レス) id: cb7900525d (このIDを非表示/違反報告)
てると - 苗字と自分の名前が全く一緒でびっくりしたw (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6026a29433 (このIDを非表示/違反報告)
青朱林檎 - かぁいい！しカッコイイです！応援しているので頑張ってください！ (2019年5月12日 17時) (レス) id: 43118dd0d5 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん - ひいらぎさん» 白布かっこいいですよね笑 大好きですよ！笑 (2018年2月12日 14時) (レス) id: 9d3af49b27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にくまん | 作成日時：2017年10月10日 0時
