番外編１ その3 ページ35
｢2人が気付いてたってことは、及川くんにも気付かれてるのかな…｣
どうしよう、そしたら恥ずかしすぎる。そんなの耐えられない。
悶々としてると松川くんが淡々と答えてくれた。
｢あーそれはないな。アイツ自分に向けられる悪意には敏感だけど好意には鈍感だから｣
｢いつも、女の子に囲まれてるのに？｣
｢あれはアイツのファンサービスだよ。及川は自分が中心の世界で生きてるし、バレーが全てだからバレーに関係ないことには全く興味無いんだよ｣
｢そうなんだ……｣
じゃあ女の子たちに囲まれてる時に見せる、取り繕ったような、嘘っぺらい笑顔はただ単に女の子たちに興味がなかったからなのか。
｢まぁ及川は自分から発する好意はバレバレなんだけどな｣
どちらかが何かを呟いた気がするけど、小さすぎて聞こえるはずがなくて。聞き返そうにも聞き返せなかった。
｢んで、いつ告白するの？｣
｢はっ、花巻くん！なんてこと言うの……っ！｣
｢そんな驚くことないだろ……えっ、まさか告白しないつもり…？？｣
恐る恐る尋ねてくる花巻くんに、私はゆっくり頷いた。
｢えっ？！なんで？！｣
｢絶対成功するのに…｣
ぼそっと松川くんが呟いた気がしたが、小さい声だったのでよく聞き取れなかった。
｢……ふたりはさ、及川くんが海外行くこといつから知ってたの？｣
｢えっと、春高予選が始まる少し前だったかな……｣
｢そっか……｣
そりゃ同じ部活の仲間には早めに言うよね。
私と及川くんが仲良くなったのは春高予選が終わってからだったし…言うタイミングが無かったのはわかる。
｢まさかだとは思うけど、村本は及川が海外行くから告白するの躊躇ってんの…？？｣
｢……うん。…だって、将来に向けて頑張ろうって時に告白されたら迷惑じゃない？？｣
｢いやいや迷惑なわけがない！！
むしろこれから1人で地球の裏側に行こうとしてる中で、日本で自分のことを想って応援してくれる人がいるってわかった方が頑張れるだろ！｣
｢そ、そうかな……｣
｢そう！絶対にそう！！海外行く前に告白した方がいいって！！｣
物凄い勢いで語ってくる花巻くんの横で松川くんもウンウンと頷いている。
そ、そうなのか…、？
｢……花巻くんも、松川くんも、なんでそんなに私に協力してくれようとするの……？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だるぱり(プロフ) - 素敵な作品でした！！！とても感動しました。。。ありがとうございました…！もしよければ、結婚までのお話もぜひ読みたいなと。。 (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 8d610ca32e (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 完結おめでとうございます！もう本当に面白くて毎日更新めちゃくちゃ楽しみにしてました！！結婚までの経緯とか、付き合ってる間の2人とかぜひ見たいです！！ (2021年1月30日 13時) (レス) id: ab8ef807f5 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん(プロフ) - 飛鳥さん» コメントありがとうございます！！もっとニヤニヤさせれるよう頑張ります！ (2021年1月29日 13時) (レス) id: b535694a23 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 本当はだめなんですけど、授業中に夢中で読んでひたすらニヤニヤしてました…笑バレー部レギュラーでライトってのが自分と重なっててなんか凄い入り込めました！更新楽しみにしてます！応援してます！！ (2021年1月28日 23時) (レス) id: ab8ef807f5 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん(プロフ) - kazukitoge1706さん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年1月28日 17時) (レス) id: b535694a23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にくまん | 作成日時：2021年1月27日 0時
