さんじゅうに 。 ページ33
Side,A
｢ 荷物、お預かりします ｣
すぐにアップ取れー、なんて言われても、久しぶりのことに頭も身体もついて行かない。
荷物も置かずに立ち尽くす俺に、自然と話し掛けてくれたのは花村さんだ。
｢ あぁ…ありがとう ｣
｢ あと、先に配っとけーってコーチが言ってたので、これビブスです ｣
｢ あぁ、…ありがとう ｣
｢ さっきからありがとうしか言ってないですよ ｣
緊張してるんですか？と笑う後輩に、否定の言葉は出なかった。
事実、緊張している。というより怖いのだ。きっとこのまま試合になったら、当たり前だが俺にトスが上がることだってあるだろう。もしその時、また止められたら。俺の打つスパイクが、全てブロックに阻まれてしまったら。
…本当に、怖くて仕方がない。
無意識のうちにビブスを握り締めて俯いてしまう俺に、そんなん絶対相手チームも思ってますよ、と軽く言う。
｢ 特に日向くん！かっこいいとこ見せるんだって息巻いてたのに、ミスったらどうしよーとか思ってそう ｣
｢ いや、あの…そういうんじゃなくてさ… ｣
｢ ほら！見てください、日向くん そわそわしすぎて影山くんに怒られてる ｣
｢ え？あ、ほんとだ… ｣
｢ というか！ビブスそんなしわくちゃにしないでくださいよ、これからも使うんですからね ｣
｢ あ!?うん…ご、ごめん ｣
しわしわなの取れなくなったら、これからそのビブスは東峰先輩専用のになりますよーなんて、これから先の事もさらっと言ってしまうこの後輩。
相手の事を考えてない発言のようにも思うけど、彼女の発言のおかげで気付けば顔も上げているし強く握られていた拳も解かれている。
俺のことを見上げた彼女は、近くで見る先輩の初めての試合超楽しみです！なんて笑う。
その笑顔に、やっぱ俺がこんな所に立ってちゃダメなんじゃなんて気持ちすら無くなってしまう。
｢ じゃあ、しっかりアップしてくださいね！ケガとかされても私 東峰先輩のこと保健室に運べるほどのパワーもタッパもないので！お願いしまーす！ ｣
俺の荷物を持って、てててーっと 俺から離れていった花村さん。荷物を纏めているところに置いてから、清水から指示を貰って うんうんと頷いて働いている。
…俺も、ここに居るからには 言われた事はやっといた方がいい、よな。
30分から試合なー、というコーチの声に 俺は慌ててアップを始めた。
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佐野陽(プロフ) - ましゅさん» 旭さんが戻るまでにだいぶ話数を使ってしまって申し訳ない限りです、、これからもお付き合いよろしくお願いします！ (2020年4月8日 6時) (
レス) id: 5b9b2f32d1 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - 待ってました！！旭さん、、かっこいいです…！泣きそうになっちゃいました。更新、大変かもしれませんが、楽しみに待ってます！応援してます！ (2020年4月8日 3時) (レス) id: 01c5a5310c (このIDを非表示/違反報告)
佐野陽(プロフ) - ろまさん» 旭さん大好きな夢主ちゃんをどうかこれからも愛して頂けると嬉しいです！これからもよろしくお願いいたします！ (2020年4月7日 2時) (レス) id: 5b9b2f32d1 (このIDを非表示/違反報告)
ろま(プロフ) - 夢主様のキャラがとても可愛くて好きです…！これからも楽しみに見させていただきます！続きを楽しみにしてます！！ (2020年4月6日 19時) (レス) id: 10044b6ea1 (このIDを非表示/違反報告)
佐野陽(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！出来るだけ頑張って早く旭さんに戻って頂けるよう尽力致します…！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 5b9b2f32d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐野陽 | 作成日時：2020年4月6日 1時
