【ハイキュー!!】大きな烏に惹かれて II【東峰旭】

ろくじゅうなな 。 ページ22

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GW合宿が終わって以来、なんとなく私と旭先輩の関係は前とは違うような気がする。
といっても、第一は私の気持ちの違い、なのだろうけど。


合宿の夜に重ねた二人の時間と、会話。
それで“きっとこうなんだろうな”って気付いた自分の気持ち。
そんな物を持て余しながらも、私は毎日変わらずマネージャー業に勤しんでいた。



気持ちに気付いたといっても インターハイ予選も近い中で、特に何か行動に移せる訳でもない。そもそも、無かったとしても何をどうすればいいのかも分からないし。
部活終わりの帰りに、分かれ道までは自然と旭先輩が隣を歩いてくれることに喜んでいるぐらいで今の私にはちょうど良かった。






そんな毎日を過ごし、やってきたインターハイ予選前日。潔子先輩の応援でやる気が満ち溢れてるみんなとの帰り道。

いつも通り、旭先輩の隣を歩いてると 日向くんがねぇねぇ！と声を掛けてくる。






｢ あの、飛べ！のやつ、明日花村さんが付けてくれんの？？ ｣


｢ あー…うん、そうだね。先生にも手伝ってもらってだけど…なんで？ ｣


｢ 気になっただけ！あれめちゃくちゃかっこいいし、試合でも見れんのかなーと思って！ ｣


｢ 試合中に余所見してアタックからぶんなよ ｣


｢ 絶対しねぇよ！！！ ｣





日向くんと影山くんが口喧嘩をしながらスタスタと前を歩いていくのを笑いながら見てると、旭先輩が 相変わらず元気だなぁ、と呟く。

ですね、と言葉を返すと 優しく微笑んでいた旭先輩の雰囲気が少しだけ変わる。
ちらりと先輩を見上げると、真剣な表情で私を見てる先輩がいて、慌てて私も立ち止まってしっかりと先輩と向き合った。







｢ …あのさ、｣


｢ は、はい ｣


｢ 明日…1回戦をもし勝ち上がったら、多分伊達工とあたると思うんだけど ｣


｢ そうですね ｣







伊達工。旭先輩の力強いスパイクをブロックで抑えて、先輩の心を一度折った高校だ。
全国に行くならば、そこを倒さねばならない。








｢ 絶対勝つから ｣


｢ ！ ｣


｢ もうバレーから離れたりしないし、飛ぶのをやめたりもしない。だから、見てて欲しい ｣







旭先輩の目は真っ直ぐ私を捉えていて、逸らされる事は無い。部活に戻ってくる前の、苦しそうな表情も今はもうどこにも見えなくて。

私は旭先輩の言葉を受けて、大きく一度首を縦に振った。

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