55話 マネは今日とて忙しい ページ9
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｢群青〜ちょっと！｣
｢はーい、今行きます！｣
｢群青！｣
｢ちょっと待ってくださーい！｣
あっちこっち行き来すると大きく溜息を吐き出す。
いやはや忙しい。
ゴールデンウィークが明ければそろそろインターハイに近い時期、必然的に選手達にも熱が入る。
まあ、色々な都合でマネージャーいなかったって言ってたしきっと自分のことに集中したいから俺を呼ぶんだろうな。
ってことは理解しているので忙しく動くだけで文句はひとつも言わない。
｢ごめん、ここ拭いといて。｣
｢スポドリくれると嬉しい。｣
｢タオルくれるか？｣
｢ボールの空気抜けたわ、ごめん。｣
｢一斉に喋らないで下さい！俺、聖徳太子じゃないっす！｣
ただ、この我先にというスタンスはどうにかしていただきたい。
して欲しいことがあるのはてめえらだけじゃねぇんだぞ。
俺の手は1個しかねぇんだから。
譲り合いの精神大事。
｢ここ拭いときますから、スポドリとタオルは向こうに新しいの置いてあります、ボールは今ちょっと忙しいので後でします。｣
｢｢｢｢いや、聞こえてんじゃん。｣｣｣｣
｢ふふん、俺はどこぞのアホ主将と違いますからね。｣
｢いや地味に聞こえてるから！！｣
遠くの方で及川先輩のツッこむ声が聞こえるけどその辺はスルーの方向で。
｢群青、ちょっといいかな？｣
大体業務にも片が付いてきた頃、俺の後ろに仏先輩の姿が。
こくりと頷くと頑張っている選手達をよそに二人で並んで色々と広げる。
｢これがこの間の牛若のスパイク決定率です。……まあ、受けてると思うんで分かるとは思いますけどほぼ八割は彼のスパイクで点を取られてます。｣
｢……牛若さんはリベロも苦手な所にぽいぽい打ち込んでくるからなぁ…。｣
｢それなりに力強いですし、落下地点予測してないとAパスはおろか、直上に上げることすら不可能かなーと。｣
｢うーん、そうなんだよねぇ…。｣
二人でうんうん唸っていると後ろをたまたま通りかかった漢気先輩。
俺らの様子を見て首を傾げてはそのままスルーして行ってしまった。
｢うーん、岩泉先輩は右利きだし…左利き攻略の手口にはならないですよね…。｣
｢岩泉さんのボールは何となくどこに打ってくるか分かるようになっちゃったから。｣
｢まじすか、さすがリベロかっこいい。｣
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蓮夜 - 面白かったです。更新応援してます。 (5月12日 19時) (
レス) @page11 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来夢*ﾟ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時：2018年4月26日 0時
