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54話 男子高校生の日常 ページ8

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長かったゴールデンウィークも嵐のように過ぎ去り、季節は夏へと近づいていく。


やけに汗ばむブレザーに、ねっとりと絡みつくような曖昧な暑さにぱたぱた襟を掴んで扇いでは度々暑くなった体を冷ました。



もうそろそろ夏服移行の時期に来ているのだろうか。

そうしたら及川先輩の肌面積も増えてファンが鼻血出しながら倒れちゃうんだろうなぁ。





そんな事をぼんやりと考えながら外を見ていた。







「……群青。」

「…げ。」

「なぁにが、げ、だ!ちゃんと授業は聞いとけバカタレ!!」




世界史のおじいちゃん先生に耳元で叫ばれて思わず顔をしかめる。

黒板には冷戦と書かれた文字。




完璧に授業に乗り遅れていたらしい。




「……珍しいじゃねぇかよ。お前が怒られるなんて滅多になくね?」

「あはは、ちょっと考え事してたら…。」



前に座っていた木村が俺に向かって小声で話しかける。もちろん及川先輩のことを考えました、だなんて流石に言えないので色々と伏せておいた。



「変な群青。」とだけ呟いて木村は前を向く。






手に握っているシャーペンをくるくる回し、一つ一つ丁寧に板書を始める。

しかし、話の長いおじいちゃん先生。



あっという間に時間は過ぎてチャイムが辺りに響き渡る。





これが終わればお昼休み。

前野授業の片付けをしていると扉からひょっこり顔を出す二名の姿。




「おーい、群青飯食おーぜ!」

「……眠い。」

「おー、今行くー!」




そろそろ学校生活にも慣れてきた頃俺は何故かバレー部のメンバーと食べることがお昼の習慣と化していた。





「お前いっつも眠いばっかじゃん。ご飯とかちゃんと食えよ?」

「まぁね…だってめんどくさくてさ…。」

「ちゃんと夜更かししてないで寝てるか?」

「…お母さんかよ…。」

「焼きそばパンゲット!…って、あれ?二人は何も買わねえの?」

「…俺弁当あるし。」

「俺別にそんなにいらなーい。」





そんな事を話しながらも道中肩を並べて歩いていく。

何となくこの感覚が幸せで勝手に頬が緩んだ。





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蓮夜 - 面白かったです。更新応援してます。 (5月12日 19時) (レス) @page11 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/  
作成日時:2018年4月26日 0時

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