【HQ!!】青いお城のヒーロー様２【男主】 (ページ5)

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51話圧倒的に足りない物ページ5

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ピッ。

短く、けれども大きく響く笛の音。

耳元に残る独特な音色は試合終了を示していた。

結果は惨敗、たまに惜しい時もあったが確実に絶対エース牛島若利によって流れは向こう側に掴まされたままだった。

近い、けど圧倒的に足りない〝なにか〟

それが白鳥沢と青葉城西の圧倒的な差となって表れている。

｢何か、…何か足りないんだよなぁ…。｣

岩泉先輩のアタックも花巻先輩のサーブも松川先輩と金田一のブロックも国見のここぞの時のレシーブも渡先輩のAパスも及川先輩のセットアップも。

どれもこれもレベルの高い人ばかり、どの高校に行ってもレギュラーに行けるような程の実力はある。

｢……壁というのは、出来る人にしかやってこない。ゆっくり考えてくしかないか～。｣

ふう、と大きく肺にあった空気を吐き出すと前に置いてあったノートを見やった。

｢あ、群青。｣

｢うえ、あ、渡先輩。どうかしました？｣

小さく決意した直後、小さく声をかけられ上を見上げると仏先輩こと渡先輩が立っていた。
(ちなみにあだ名の由来は坊主な上に仏様のような優しい存在だから)

俺を見つめるその瞳は静かに闘争心を燃やし、決意の浮かんだ顔をしていた。

｢俺、強くなりたいんだ。…何か方法ないかな。｣

何か、俺の心が何かに反応してどくんと音を立てる。
それは背後から心臓を掴まれたようなそんな感覚だった。

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