47話 白鳥をも凌駕する力 ページ1
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この絶対王者に勝てるかどうか。
それを確認するには判断材料が少なさすぎる。
それに、新体制になってから先輩達もやりにくいことが沢山あるだろう。
「なぁに楽しそうな顔してるの〜?」
「わ…、及川先輩。」
「…また俺の悪口書いてある…。」
「ちょ、まだ見ないでくださいよ!てか、悪口じゃないです!!」
「へぇ〜?ならいいけど〜。」
むっすーと機嫌の悪そうな顔をしてボトル口付ける及川先輩。
その動作はやけに色っぽい。
顔いいんだからあとはそのウザったらしい性格だけなんだよなぁ…って言ったらきっと怒られるからなんにも言わないけどさ。
じっと、その様を眺めていると及川先輩は恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「なんでそんなに俺の事みt……。」
「及川先輩、腕の筋肉ないですね。」
「……へ?あ、ああ。言われてみればそうかも…。」
「力が足りないのは筋力不足か。」
独り言のようにぼそぼそ呟いていると及川先輩のうるさい声が耳元すぐ近くで響く。
しっしっと手で追い払うと寂しそうに眉を下げた及川先輩はその馬鹿は去っていった。
スコアに影が差し込み書いていた部分が途端夜景色へと変貌する。
誰だろうと顔を上に向けるとその人物は以外にも漢気先輩だった。
「岩泉先輩…?」
「…あ、悪い勝手に覗いちまった。」
「お気になさらず。俺だけのものじゃないので。あ、見ますか?」
「おう、サンキューな。……お前クソ川に因縁でもあんの?」
「いえ、別に…特には。」
「クソ川泣くぞ。」
「さっき見せたら悪口書いてあるって言われました。」
「ぶッ…アイツらしいわ。」
「でも岩泉先輩のも書いてありますよ?」
岩泉先輩の欄を指差すと本人はそれをまじまじ眺める。
しばらくして顔を上げた岩泉先輩の顔は輝きを放ち、尊敬の眼差しでこちらを見ていることがわかった。
「お疲れさん…と、俺の改善点。結構見直すことあったしまじ助かるわ。」
「いえいえ、俺こんくらいしかできねぇっすから。」
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蓮夜 - 面白かったです。更新応援してます。 (5月12日 19時) (レス) @page11 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2018年4月26日 0時