32話 加筆修正 ページ34
「……ねえ太宰さん」
「なんだい?」
「私此処に居る必要有ります?」
ヨコハマの某倉庫にて。
私は山積みになっている一番上の箱に乗り 足をふらふらさせながら尋ねた。
太宰さんが一人いれば虎を捕らえるなんて余裕だと思う。
「うん いざとなったら君の異能を頼らせて貰うからね」
「でも上手く使えるか判りませんし」
「だいじょぶだいじょぶ」
いい加減だ。
然も完全自サツ読本何て読んで余裕な態度を見せている。
敦さんの表情を見てほしい。その光景を見てドン引きしている。
「……本当にここに現われるんですか?」
「本当だよ」
そう云うが敦さんが心配そうな顔で見つめる。
「心配いらない 虎が現れても私の敵じゃないよ こう見えても『武装探偵社』の一隅だ」
「寧ろ太宰さんだから心配するのでは…?」
「非道い」
シクシクと鳴き真似を見せられると敦さんは自嘲気味に笑った。
「はは 凄いですね 自信のある人は。僕なんか孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われてて––––そのうえ今日の寝床も明日の食い扶持も知れない身で」
私が太宰さんに突っ込みを入れると敦さんがネガティブな発言をし 三角座りの侭顔を埋めた。その姿に思わず数日前の自分と重ねてしまった。彼の方が、私より何十倍も苦労し、葛藤しているのに。
「こんな奴がどこで野垂れ死んだって いや いっそ喰われて死んだ方が____」
そんな事無いのに。
そう思い太宰さんを見ると彼は無表情で月を見た。
蒼くて大きくて丸い月が窓から覗いている。
今宵は満月だ。何かが起こりそうな。
「却説____そろそろかな」
これから起こる事を暗示する様に大きな物音が直ぐ側でした。
「今……そこで物音が!」
敦さんが先程の音に驚いて立つ
「そうだね」
「きっと奴ですよ太宰さん!」
「風で何か落ちたんだろう」
冷静な太宰さんとは逆に彼は僕を喰いに来たんだと狼狽える
「大丈夫ですよ 虎はあんな処から来ません」
「ど どうして判るの!」
私が宥めると敦さんは強く疑問を問うた。
そして太宰さんは本を閉じ そもそも変なのだよ敦君と云う。
「経営が傾いたからって養護施設が児童を追放するかい?大昔の農村じゃないんだ いや そもそも経営が傾いたからって一人二人追放したところでどうにもならない 半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ」
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迷いの犬の文豪迷探偵 - 阿吽さん» お も し ろ す ぎ……!?有難うございます!とても嬉しいです!更新頑張りますね! (2018年1月26日 17時) (レス) id: 91010c623c (このIDを非表示/違反報告)
阿吽(プロフ) - 面白すぎます……;;更新ガンバッテください!!! (2018年1月25日 16時) (レス) id: de623f02c9 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 迷いの犬の文豪迷探偵さん» 確かにそうですねww (2017年12月17日 17時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
迷いの犬の文豪迷探偵 - Rさん» なんやかんやいって変人の知り合いを持つ夢主が一番変人…? (2017年12月17日 16時) (レス) id: 91010c623c (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 迷いの犬の文豪迷探偵さん» 『100歳』じゃなくて『100歳越え』なんですねww 『後はー』ってまだいるんですかww太宰さんより変人だと思うんですけどw (2017年12月17日 5時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2017年10月16日 16時