覚悟しろよ、萩原研二。

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「Aー、私の家で今日映画見ない？真っ暗な中で！」


『私裸眼の視力が0.6以下になったら職業選択が悲惨なことになるからやめて』





高校生活2回目だと余裕もあって前回ほど真面目に勉強しなくても前回の知識が手助けしてくれる。






そして、困ったことが起こった。



テレビの見過ぎで視力が0.5まで下がった。





そう、私は忘れていたのだ。


警察学校に入校するには裸眼視力0.6以下になってはいけないおいうことを。






視力検査でC判定をされて私はムンクも逃げ出す絶望顔でブルーベリージャムを買い漁った。



目のマッサージ、山の鑑賞、できるだけテレビを見ない。



これを毎日繰り返し、先日、眼科では「0.8ですよー」と言ってもらえた。













私はもう一度警察学校に入校してまた同じ人生を繰りかえす予定なのだ。




そう、私は死ぬために生きているのだ。


死ぬためになけなしの小遣いでブルーベリージャムやらホットアイマスクやらを買い込み、窓の外を見つめているのだ。








バガだと思われるかもしれない。


死ぬのに、なぜそんなことをするのかと。





だが、私はひとつ、決めたのだ。


それは、萩原研二よりも先に死ぬ、ということだ。






以前死んだせいで死に対する恐れが激減してしまったせいでこれから先待ち受ける死ぬという未来がひとつも怖くない。



同期には辛い思いをまたさせるのか、と思っていると、私はふと思い立った。







萩原研二だけが友人に先立たれる苦しみを味わっていないのだ。



これは審議じゃないか？

裁判長！！！






松田が死ぬような原因をつくったんだぞあの女たらしは！！



それに！あいつが死ななきゃ私は墓参りなんか行かなくて済んで生きてたかもしれないのに！！！！






その時、私に素晴らしい考えが舞い降りてきた。




自分が先に死んで萩原研二に先立たれる苦しみを味わわせてやればいいじゃん！！









天才かな、私って。





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