覚悟しろよ、萩原研二。

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「おい浅川、お前暇だろ？」


『暇じゃないけど君が暇って決めつけるんなら暇ってことにしてあげてもいいよ』





「じゃあ来いよ、鬼公の車診てくれって言われてんだよ」






……普通ここは「悪かったな」って言って引き下がるところじゃないの？


来いとか言っちゃう？








伊達の横を歩きながら地下の駐車場まで歩いていれば、低い声が私のことを呼ぶ。





『なに？』


「この前の“5人でひとつ”ってどういうことだよ」






そんなこと言った？


私？









「コンビニの襲撃事件の時、お前言ってただろ」



「あれどういう意味だよ、自分だけ仲間はずれとでも思ってんのか」





『適当に言っただけだから気にしないで』








不満げな松田を振り切って教官のFDに近づく。



『で、私はなにすればいいの？』

「いや別に、後部座席で寝てていいぜ」



『………お前ほんとに何のために私のことを連れてきたわけ？』








怒られませんように、と願いながら後部座席に座って目を閉じていれば何やら音が聞こえてくる。


それがちょうどいい子守唄と振動になって私を夢の中へと誘う。








嘘でしょ、私教官の車の中で眠っちゃうの？


松田の手によって寝かされちゃうの？




どうしようお嫁に行けない。





まあ警察学校卒業前に死ぬからどうせ独身なんだけど。



















ていうか何で松田あんなこと聞くわけ？




誰のせいでひとりぼっちだと思い込むようになったと思ってんだよ。


お前が私にメール送らなかったからだよバーカ。




ツンデレでもしてるの？なんなの？


あの天パにストレートアイロンかけたろか。











「……い、……き…！」





何やら声が聞こえた気がする。


気のせいかと思っていれば、





「おい！起きろ浅川！！」



『え？』












いつの間にか眠っていたようで隣を見ればなぜか降谷の顔面がある。





前を見れば助手席には松田が、運転席には萩原がいて猛スピードで道路を走っていた。










『なにこれ降ろして帰る』



「今から暴走したトラックを捕まえに行くんだ、じってしてろ」








『暴走すんなよトラックぅぅ……』










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