92.正体 ページ42
条件によっては、話してもいいと思ってんだろ？
甘く呟かれた言葉に、Aの表情は変わらない。
『…私が情報を渡すかどうかは、あなた達の持つ情報次第よ』
「貴様…!」
「マーテル、落ち着け」
また、グリードが諌める。
マーテルと呼ばれたこの女は、どうやらグリードへの忠誠心が特別厚いらしい。
彼女を後ろに下がらせたグリードは、Aの瞳をじっと見つめて言った。
「その度胸、気に入ったぜ。特別に俺の“とっておき”を見せてやる」
『…？』
そう言って、グリードはニヤリと微笑んだ＿＿＿＿
＿＿＿＿瞬間。
グリードの真後ろに立っていた2mはあるであろう大男が、
彼に向かって大きな金槌を振り下ろした。
『ッ?!?!』
反射的に目を背けたAの耳に、
過去に嫌という程聞いたあの嫌な音が飛び込む。
肉が、
骨が、
人体を構成する全てが、
裂け、
潰れ、
バラバラに飛び散っていく、
あの音が。
『なっ…!!!』
思わずソファから飛び退いたAの肩を逃すまいとマーテルが掴む。
ソファの周りには飛び散った肉片が、
そして正面には、未だ血を吹き出しているグリードだったものが、
ただただ存在している。
『な、なんで＿＿＿ッ⁉』
＿＿＿＿思わず口をついて出た言葉は、最後まで紡がれることはなく。
Aの思考は、一瞬で停止した。
＿＿＿＿＿どういうことだ。
脳が眼前で起こっている事への理解を拒んでいた。
辺りに飛び散った肉片は、端から黒い霧となって消えていき、
目の前で倒れていたはずのグリードだったものが痙攣し始め、
その抉られた頭部から、
Aの見慣れた
『錬成…反応…?!』
禍々しい色のその光と共に、
骨格、筋肉、その他諸々の人体構成部位が、
着々と再構築されていく。
『...は？』
こんなことがあってたまるか。
こんな、
まるで、
＿＿＿まるで、
あってたまるか＿＿＿＿＿‼
「＿＿＿＿…あ”ーあ“ー、A、ちゃんと見てたか？」
数秒足らずで完全に元通りになったグリードが、ニヤリと笑う。
『……あなた、一体何なの』
絞り出した声は、自分でも驚くほど小さくて。
「俺はな」
グリードの指がAの顎を捉え、俯いていた顔を自分の方へと向けさせる。
「人工的に作り出された人間、
人ならざる人、
＿＿＿＿＿
続く (更新停止中)
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名無し20471号 - 続きが読みたいです；； (1月31日 12時) (
レス) id: 736ab31a01 (このIDを非表示/違反報告)
Mira(プロフ) - 課題しないとなのにずっと読んでしまった……。更新いつまでも待ってます！！ (2023年1月26日 23時) (レス) @page42 id: 74a2903c73 (このIDを非表示/違反報告)
戦犯のラーク(プロフ) - 初めてコメントを残させていただきます。とっても最高に面白い作品で続きが楽しみになりました。もし更新があったらすぐ飛んできます。最高の作品をありがとう。 (2022年8月19日 1時) (レス) @page42 id: 327ba37996 (このIDを非表示/違反報告)
にき(プロフ) - 面白すぎてハゲそう。何回も読み返してる笑 (2022年6月25日 21時) (レス) @page42 id: 219a3eddad (このIDを非表示/違反報告)
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ" - どうして…久々に良作品に出逢えたと思ったら…どうして更新が停止されているんだあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ" (2022年5月29日 14時) (レス) @page42 id: 1b12660de2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶらぴ | 作成日時：2018年7月30日 15時
