番外編:Rui ページ4
懐かしい声がする。
真っ白な光景から色がジワリと滲んでいく。そして最後には一人の人間へと変わった。
誰や、人は声から忘れていくとか言うたやつ。ばっちり覚えてんぞ。
…いや、私の場合人間じゃないから例外か
綺麗な声で私の名前を呼ぶ音がする。
そっちを向いても誰もいない。
目の前にいた、作り出された人は消えてしまっていた
「…こさん、…わこ、ん……永久狐さん!」
「…っ!?」
「大丈夫、ですか?」
なんや、夢か
随分懐かしい人が出てきたもんや。
目の前の彼女は私の顔を心配そうに見てくる。
なんやなんや、そんな見てくんな。
「怖い夢でも見ましたか?」
「なんでそうなんねん」
「だって、泣いて…」
そっと、手が頬に添えられた。
暖かいのは生きている証拠。
最後に握ったあいつの手は、冷たかったと、思い出す。
その感触まで思い出してしまって、触れることに恐怖を感じた。
「昔のこと思い出しただけや」
「そう、ですか?気分が悪いなら外の空気でも、」
「…大丈夫やから、自分の部屋戻れ」
「わかりました」
静かに去っていった。
あほか、何やっとんねん。
なんで今思い出してんの。これも全部あいつのせいや、こんなところに迷い込んだ、あいつのせいやないか
「ーー…、」
小さく呟いた名前は風にかき消されてしまったけど、きっと聞こえているだろう。
それは、俺がそう信じたいだけなんかも、しれんけど。
―――
お誕生日おめでとうございます。
今年は直接のお祝いリプを送っても良いという事でしたが、やはり嫌なものは嫌なのではと思います。
もう少し先のお話
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家本(プロフ) - とっても面白いです。更新、気長に待ってます。楽しみにしてます。 (2015年11月22日 14時) (レス) id: 3c2ad4772c (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 面白いです!w更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2015年11月20日 17時) (レス) id: 0c8ca8a185 (このIDを非表示/違反報告)
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