検索窓
今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:344,211 hit

甘さ8g ページ8

ほんとに?と何回も確認される。
そんな嘘ついたところで、私にメリットなんてないのになぁ。

ことん、机の上に、私お気に入りのマグカップが置かれた。
視線をそちらに移すと、微笑んだ姉さんが。
ゆらゆらと揺らぐ白い煙に乗った甘い匂いが私の鼻をかすめる

「はい、ホットミルクね」
「ありがとう、姉さん」

フジさんが軽くお辞儀をした。
私は両手で包んだ。あったかい。
姉さんは何かを察したのか、くすりと笑ってからフジさんと目を合わせ、奥に戻っていった。

「ふへへ」

だらしなく顔を綻ばせるフジさん。
私の顔を見ては気持ちの悪い声を出した。
私の冷たい目に気付いたのか、泣き真似を始めたフジさんを放置して、ホットミルクに息を吹きかけた。

「ひどい…」
「気持ち悪いですよ」
「ねぇそれが彼氏に対する態度なの!?」
「…彼女になるって言ってないです」
「え!?」

驚いたように目を見開くフジさんから視線をそらす。
うそ、うそ。何の戸惑いもなく彼氏なんて言うフジさんをからかってみたかったから。
絶望したように机に項垂れるフジさんの頭を撫でてみる。
サラサラした髪の毛が羨ましい。

「嘘ですよ」
「どっち!?」
「だから嘘ですって。これからよろしくおねがいしますね、彼氏様」

パァと顔を輝かせる。
女の子みたい。私よりも可愛らしい。

今度から、私はこんな人の隣に立てるのかと、心がワクワクした。

「うん、よろしくね!」

甘さ9g→←甘さ7g



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (264 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
494人がお気に入り
設定タグ:実況者 , 最終兵器俺達 , フジ   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小吹雪凛(プロフ) - 読ませていただきました!とても感動しましましたこれからも頑張ってください! (2016年4月9日 22時) (レス) id: 080850b746 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 心臓がっ・・・・心臓が締め付けられたっ・・・(訳 胸が締め付けられるほどきゅんきゅんした。素晴らしいです) (2016年3月31日 20時) (レス) id: d9175db01a (このIDを非表示/違反報告)
てぃの。 - 「間接キス」が「関節キス」になってますよー!突然失礼しました。 (2016年1月16日 0時) (レス) id: 8ac4f385cb (このIDを非表示/違反報告)
美音-ミオン-(プロフ) - れいかさんっっっ!!タイミングよ!!!()共感して電車の中で泣きそうになりましたやべぇ (2015年11月18日 12時) (レス) id: 0c8448ac7c (このIDを非表示/違反報告)
らなたん(プロフ) - いつも楽しんで読ませていただいてます!すごく面白くて更新がいまかいまかとワクワクしながら待っています。応援しているので頑張ってください!失礼しました( ˇωˇ ) (2015年11月18日 2時) (レス) id: 105d5c3654 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:  
作成日時:2015年11月3日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。