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甘さ23g ページ23

慣れてるんだろうなぁって、ふと思った。
梳くように髪をなでるフジさんの顔を見る。嬉しそうに笑っているところを見ると、ちゃんと好かれているんだろうなぁって。

「どうしたの?」

私の顔を見たフジさんに言われる

「何でもないです」

また私は顔を隠した。

「うそだ」
「嘘じゃないです」
「言ってよ」
「言うことなんてありません」

自分でも頑固だと思う。
わかってる。それでも言おうとすれば喉から先に言葉が進んでくれない。
もどかしい。

「Aちゃん、言って?」

優しく顔を持ち上げられた。
聞いて、聞かないで。そんな矛盾した考えが広がる。
ね?と微笑んだフジさんに、すんなりと言葉が出た。

「慣れてるんだろうなぁって、キヨ兄さんに、フジさんの高校時代のこと聞いて、ずるいなぁ、って」

視界がゆがむ。あれ?私ってこんなに涙腺弱かったっけ?
こんなに泣き虫だったっけ?

だんだんフジさんの顔もぼやけてくる。
それがどこかに行ってしまいそうで、消えてしまいそうで、腕を伸ばす。
頬に手が触れて、やっと安心できた。

「嫉妬?」
「ちがいます」
「そっか。でもこんなに好きなのはAちゃんだけだから安心して」
「誰にでも言ってるんでしょう」
「言ってないよ、Aちゃんだけ」
「うそだ」
「信用されてないなぁ」

出会って1週間も経ってない人を信用しろなんて、そんなの無茶だ。

歪んだ視界が暗くなる。ふわりと何かに触れた唇。
明るくなった視界のあと、それがなんだか頭が理解した。

「Aちゃん、好き」

フジさんに、キス、された。


―――
次の更新はバイトが終わってから。

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小吹雪凛(プロフ) - 読ませていただきました!とても感動しましましたこれからも頑張ってください! (2016年4月9日 22時) (レス) id: 080850b746 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - 心臓がっ・・・・心臓が締め付けられたっ・・・(訳 胸が締め付けられるほどきゅんきゅんした。素晴らしいです) (2016年3月31日 20時) (レス) id: d9175db01a (このIDを非表示/違反報告)
てぃの。 - 「間接キス」が「関節キス」になってますよー!突然失礼しました。 (2016年1月16日 0時) (レス) id: 8ac4f385cb (このIDを非表示/違反報告)
美音-ミオン-(プロフ) - れいかさんっっっ!!タイミングよ!!!()共感して電車の中で泣きそうになりましたやべぇ (2015年11月18日 12時) (レス) id: 0c8448ac7c (このIDを非表示/違反報告)
らなたん(プロフ) - いつも楽しんで読ませていただいてます!すごく面白くて更新がいまかいまかとワクワクしながら待っています。応援しているので頑張ってください!失礼しました( ˇωˇ ) (2015年11月18日 2時) (レス) id: 105d5c3654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:  
作成日時:2015年11月3日 23時

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