【実.況/者】はちみつ大好き少女の恋【フ/ジ】

甘さ1ｇ ページ1

日本人の定休日、本日日曜。

珍しく、多くの人が私の通っているカフェに集まっていた。
普段ならここまで多くならない。本当に珍しい。今日は満席。

忙しなく働く店員であり店長でもある姉を横目でみながら、大好きなホットミルクの入ったマグカップを両手で抱えながら座れるのを待つ。

特等席は男の人に座られていた。
ふたりかけのテーブルに男性がひとり。

相席しても、いいかなぁ。

艶のある黒い髪の毛は日本人の特徴。優しそうな視線を手に持つ端末に向ける男の人に声をかける。

「すみません」

ゆるりとこちらをみて首をかしげた。
たらんと垂れた目に見つめられ、時が止まったような感覚になる。
周りは騒がしいはずなのにここだけ別空間にやってきたみたい。

「なんですか？」

タレ目を細めて笑いながら、低く痺れる声で言葉を紡いだ。

「相席しても、いいですか」

詰まりそうになった言葉をなんとか吐き出すと、彼はどうぞとテーブルに置かれた荷物を退けた。

向かいに座って、抱えたままのホットミルクを机の上に置く。
白い湯気はまだ立ったまま。

ふー、ふー。
息を吹きかけ熱が一定の温度まで下がるのを待つ。
前からなにやら視線を感じるが、気にしないことにした。

甘さ2ｇ→

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