ナンバカ短編小説〜桜〜

バレンタインデー〜ウノ４〜 ページ23

牢屋が出て、ウノさんに腕を引かれながらやって来たのは娯楽室であった

何故、ここに呼び出されたのかすらわからなく…
ただ、使用時間外だったのでもちろんの事私達2人だけだった


「あの…ウノさん…脱獄は良くありませんよ…？」

11「Aに話したいことがあってここに来た」

「話したいこと？」


さっきのチョコのことだろうか
やはり嫌だったのかなと気を落とす私とはうらはらに、急に抱きしめ始めた


「あっあの…ウノさん…？」

11「ありがと…」

「はっはい…？」


なにか感謝されることでもしたのかと疑問にも思えたが、ゆっくりとウノさんが話し始めた


11「俺、星太郎とか、ハニー、トロワにチョコの数で負けて悔しかったけど……Aから貰えるチョコが一番嬉しい……スゲェ、嬉しい…
好きな女の子から貰えるとか幸せすぎる…大体、顔を名前もわからねー奴からもらっても嬉しくねーし」

「うっウノさん……恥ずかしいですよ…」


11「何、照れてんだよ」


顔を見られないよう、下を向いていたが、頭をくしゃくしゃと撫でられてしまう…
恥ずかしいけど…嬉しい……
大きなソファに座り向かい合う形で座った


11「なぁ。A」

「はい？」

11「あーんってしてくれるか？」

「はい！？」


何を言い出すかと思ったら世の中のリア充がやるあ〜ん♥をするのか！？
本当なのか！？


「えっと、1個だけなら……」

11「ありがと」


ニヒルに、笑うウノさん
トリュフを手に取りウノさんの目の前に差し出す


「あーん」

11「あーん」


トリュフが口の中に入り味を確かめている
甘すぎず苦すぎずしようとしたのだが、口には会ったのだろうか……


11「めちゃくちゃうめーよ！」

「あっ、ありがとうございます！」


少し物足りなさそうにしている
何考えているのだろうか…
少し考えてなにか閃いたようで……

急にウインクをし……


11「Aにも、お裾分け」

「え？」


一瞬何が起きたかわからず…
ただ分かるのは、目の前にはウノさんの顔……
私……キスされてる……

少し長めのキスをし息が苦しくなってくる
私の口の中にウノさんの舌が入り舌を起用に使い、トリュフを入れた

少し刺激的なキスに顔の熱が収まらず自分の顔は真っ赤になっているはずだ


「はっ、恥ずかしいですよ！！」

11「ん？あまりに美味しいチョコだったからAに食べさせたくて……」


11「ねぇ、A…………」


“もう1個、いかが？”


「欲しい……です…」


〜Fin〜

ホワイトデー〜ウノ１〜→←バレンタインデー〜ウノ３〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す