Sakyo Furuichi.H ページ7
『センセーショナル』
▽
「古市さん、いらっしゃいませ」
「……あぁ。 いつもの頼む」
「かしこまりました!」
服はほとんど黒く、明るめの髪色に映えている。
メガネの奥には熱い瞳が隠されているようで。
うちの店のお得意さんで、常連さん。
毎週のように通ってくれるのはお花が本当に好きだからだろう。
「今はススキが見頃ですね」
「あぁ、すっかり秋だな」
いつもの花を、
まとめて束にして包装しながら彼の暇を凌いだ。
彼は恐い印象を与えるものの、話しかけてみると案外、心優しかったりする。
「不躾でしたらすみません。
いつも思うのですが、この花はどなたに?」
「劇団の……監督さんに、だ」
「へぇ……。さぞかしそのお方も古市さんのようにお花が好きでいらっしゃるのですね〜?!」
「それはわからんが……。
まぁ。いつも渡せば、律儀に飾ってくれるな」
ふっと彼の顔が和らいだ。
どうやら彼のいう監督さんとは女の人らしい。
「では今回ばかり、
コレをお付けしておきますね」
「……これは?」
「スプレー菊です。
よかったら監督さんにお渡しください」
小さく咲いたスプレー菊が数輪、細めの包装紙に包んでいるものを古市さんにお渡しした。
「お代は結構です。古市さんにはお世話になっておりますので、その古市さんがお世話になっている劇団さん、基い監督さんにもと思いまして」
「……。」
彼はスプレー菊を受け取ったきり黙り込んでしまった。私はその間に、本命の花束の包装を完成させる。
「古市さん、お待たせしました。こちら……」
「この菊は“お前からのプレゼント”ってことで良いんだな?」
「……はい?」
珍しく取り乱した彼で、私の抱える大きめの花束もなかなか受け取らずに。
「お前から監督さんにじゃなくて、
俺から監督さんに渡せってことだろ……?」
「あっ、えっと、はい」
「じゃあこれは、
お前から一旦俺に頂いたものなんだな?」
「……たぶん、そうなりますね」
「じゃあ、俺がこの後どうしようと勝手だな」
彼の思惑が掴めずにいると、彼はやっとのことで大きなその花束を受け取った。
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はゆー(プロフ) - 有害君さん» リクエストありがとうございます(;;)!!夢主ちゃん攻めとても尊いです妄想が滾りました,,,ふふ(*´`)遅くなるとは思いますが必ず書かせて頂きますのでお待ちいただけると幸いです...!これからも『恋のサンプル』をよろしくお願いいたします(_ _*)!! (2019年9月4日 20時) (レス) id: d068591bfd (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - ←(その時の様子もお願いします!) お話全て夢主→攻め、キャラ→受けでお願いします!!(あれ、今更だけど全部似たような内容だ・・・まあいっか!)← (2019年9月1日 1時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - あざみ・・・皆で王様ゲームをしているとき【○番(夢主)は□番(あざみ)に壁ドンから何でもいいからイチャついて!】というお題で夢主があざみに何度もDキスなどをしてあざみがぶっ倒れてしばらくの間気まずくなる(?)話 ※続きます (2019年9月1日 1時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - 万里・・・ゲームで負けた方は勝った人の言うことを聞くというので、夢主が勝って万里を好き放題に色々(キスなど)して万里が照れまくる話 一成・・・夢主が一成に股ドンをしてそこから色々して一成が照れまくる話 ※続きます! (2019年9月1日 1時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - リクエストで一気に3つ出しちゃいますけどいいですか!万里、一成、あざみのお話を少し長めでお願いします!!書く方はどちらでもかまいません!(内容は次のコメントで!) (2019年9月1日 0時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆろい x他1人 | 作成日時:2019年5月1日 18時