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「……っ、お似合いでいらっしゃいます!」
「ほんと?」
長く艶やかな彼女の髪にさした簪は輝き誇っていて、彼女の美しさを際立たせるようだった。
「おじさん、約束通りこれ私に安く売ってください」
「へぇ、姫様はお目が高くいらっしゃる」
彼女は店主にそう言われると可愛く照れた。
「姫様、お気持ち程度ですが“ぷれぜんと”です」
「え、いいの?!」
「女友達とこうやって買い合ったりするんです。失礼承知で姫様とこういうことが出来たらなと思っておりましたので……」
「わぁ〜!Aちゃん大好き!」
そうして身分も気に留めずに私に抱きついた。
私が困っているのを見兼ねたのか、“あざみくん”が剥がしに来てくれた。
「姫!あんまり人前で、っ!
くっつかれないでください…!」
「あざみってばウブだ〜!」
「うるせぇ九門!」
なんでそこ仲良くなってるの。
昨日の敵は今日の友だというのか。
わかりやすい例だ。
「あっそうだAちゃん!何か欲しいものない?
私も何か“ぷれぜんと”したい!」
「え、構わないでください……っ!今日の思い出だけで充分良い想いさせていただきました……!」
「そんなこと言わないで!
あっ、あざみ。なんか無い?」
「なんかって……」
彼はわかりやすく困窮した。
姫様は天真爛漫ながら他人を振り回す。
それは身をもって今日知り得たことでこれ以降はもう要らない。私はそんな大層な身分にはいない。
「……無難に簪でどうですか。
俺から“ぷれぜんと”しましょう」
「あざみくんも…!大丈夫ですってば」
「いや。俺にも刀を向けた非礼があるんで」
彼は千差万別の簪を見ながら、かんざし屋の中を回っていた。
そして、碧に輝くキラキラの簪を見つけて来たかと思うと。
「店主、これを売ってくれ」
「かしこまりました!」
おじさんまで物を止めてくれなかった。
そして、彼は簪を片手に、私の下ろした髪を器用に結った。
鏡に映った私の姿は、先ほどとは違う。キラキラ輝くみどり色の装飾のついた簪がよく映えていた。
「こんなもんだろ。お前も女なんだから少しくらいは身だしなみに気を遣え」
「あ……ありがとうございます」
今まで怖いと思い込んでいた武士の概念が覆された。彼は強かでただ格好よかった。
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はゆー(プロフ) - 有害君さん» リクエストありがとうございます(;;)!!夢主ちゃん攻めとても尊いです妄想が滾りました,,,ふふ(*´`)遅くなるとは思いますが必ず書かせて頂きますのでお待ちいただけると幸いです...!これからも『恋のサンプル』をよろしくお願いいたします(_ _*)!! (2019年9月4日 20時) (レス) id: d068591bfd (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - ←(その時の様子もお願いします!) お話全て夢主→攻め、キャラ→受けでお願いします!!(あれ、今更だけど全部似たような内容だ・・・まあいっか!)← (2019年9月1日 1時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - あざみ・・・皆で王様ゲームをしているとき【○番(夢主)は□番(あざみ)に壁ドンから何でもいいからイチャついて!】というお題で夢主があざみに何度もDキスなどをしてあざみがぶっ倒れてしばらくの間気まずくなる(?)話 ※続きます (2019年9月1日 1時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - 万里・・・ゲームで負けた方は勝った人の言うことを聞くというので、夢主が勝って万里を好き放題に色々(キスなど)して万里が照れまくる話 一成・・・夢主が一成に股ドンをしてそこから色々して一成が照れまくる話 ※続きます! (2019年9月1日 1時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
有害君 - リクエストで一気に3つ出しちゃいますけどいいですか!万里、一成、あざみのお話を少し長めでお願いします!!書く方はどちらでもかまいません!(内容は次のコメントで!) (2019年9月1日 0時) (レス) id: ee0db65bd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆろい x他1人 | 作成日時:2019年5月1日 18時