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少し口角が上がりながらも無言でメイク道具を机の上に並べる。
「じ、じゃあ…失礼します」
「……ん、」
震える手もバレないように自分史上最高に丁寧にメイクをしていく。
莇くんは元から美容意識が高いこともあって化粧ノリがいい。だからシンプルに、だけども技術を使って。
そして数分後。
「っ、はぁ…」
「なんでそんな息切れてんだよ」
「綺麗すぎて途中から息止めてた」
笑いながら言う私に軽くため息をついてなぜかこちらを見据える莇くん。
そんな時に私はある大失態に気づいた。
「ごめん莇くん、グロス塗るの忘れちゃってた」
薄めのピンク…と言っても、ほぼほぼ色はつかないはず。でも一応、念の為ね。
「俺、グロスとか塗るの好きじゃないんだけど」
「ちょっとだけ！お願いっ！」
「…
「うん、もう終わり」
「わかった。そのかわり、グロス落とすの手伝えよ」
ん、と言って目を閉じてこちらに向いた莇くん。……改めてするの緊張する。
「っ、できたよ莇くん！」
鏡を持って、朝くんにそれを手渡す。莇くんは鏡を持って自分の顔を写し、マジマジと見ていた。
「…まぁまぁじゃねぇの」
そう言って朝くんは自分の口元を触る。その行動に疑問を抱いた私は口を開いた。
「？？
莇くん、口元…っていうか唇どうかしたの？」
「いや…大したことじゃねぇけどさ。グロスの色、濃い色だと思ってたからあんま色付いてなくてびっくりしただけ」
「女の子にメイクするのと莇くんにするのは別だもん。それに素材がいい莇くんの顔を崩れさす訳にはいかないでしょっ」
そう言って机の上に転がるメイク道具を丁寧に直していく。その時、グッと肩を掴まれた。
方向転換しろ、とでも言うように自分の方向へと私を向かせた莇くん。
「あざ、みくん…？」
「グロス、落ちてねぇから」
「っん、」
ちゅっと、重ねられた唇。数秒もしないうちに離れた。莇くんの唇を見ると、ほんの少しだけグロスが落ちていた。
「…俺が何も出来ねぇとか思うなよ」
ちょっと図星、私は思ったより莇くんを甘く見ていたのかもしれない。
「莇くん、もしかして…」
「唇についてるグロスが全部落ちるまで」
つまりはそういうこと。
莇くんの唇についているグロスの色が完璧に落ちるまでキスをする。
「甘く見んな。俺だってしようと思えばこれぐらいできる」
「は、はい…」
改めて莇くんの裏側を知れた日。そして初めてキスをした日。
Chikage Utsuki.H→←Azami Izumida.R
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はゆー(プロフ) - あゆみさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて光栄です！(*´ `*)これからも、ろい様と力を合わせて更新をがんばっていきたく思っておりますので心待ちにして頂けますと幸いです。あゆみ様をキュン死にさせてみせますのでよろしくお願いします､､！笑 (2019年4月28日 19時) (
レス) id: 6a466921ec (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 毎回めちゃめちゃいいお話ありがとうございます…！！1話読み終わる度に投票してもうしてあるので失敗するという流れを繰り返してます…次の更新も待ってます！！ (2019年4月28日 1時) (レス) id: bf0195af74 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 灯無さん» く、口から血が……！？ですが、キュンキュンは抑えません！（笑）これからもドキドキ、キュンキュン全力で恋のサンプルをお届けします！ (2019年4月1日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
灯無 - ろいさん» いえいえ！良かったです(^ ^) これ以上キュンキュンすると口から血が出そうです。楽しみに待ってます！ (2019年3月31日 22時) (レス) id: 126e456bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 灯無さん» ご指摘ありがとうございます！めちゃくちゃ無意識でした！これからははゆーちゃん様と合わせます！更新楽しみにしておいてください、キュンキュンさせてみせます（真顔） (2019年3月31日 16時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆろい x他1人 | 作成日時：2019年3月31日 2時
