Itaru Chigasaki.R ページ38
『いつまで経っても』
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「茅ヶ崎さんってカッコイイよね〜!」
「分かる!仕事もできてカッコイイし、役者としてもすごい人気あるんだって!」
…茅ヶ崎さんもかわいそーに。心の中でそんなことを思いながらも、私が住んでいるMANKAI寮へと帰る。正確に言えば、住まわせてもらってる。だけど。
私は茅ヶ崎さんと似たり寄ったりな理由だけど、お金の節約のためここのお手伝いをする代わりに住み込みで自分の仕事をしているのだ。
「あっ、茅ヶ崎さん」
「Aじゃん、おかえり」
これはもう日常の挨拶になっている。
それに…茅ヶ崎さんにおかえりって言われるのは悪くない。
「あ、そーいえば茅ヶ崎さんまた色々言われてましたよ」
「色々?」
「剥がしても増えてくタグとランク付けの言葉」
「相変わらず詩人」
「作詞家って言って!!」
詩人は有栖川さんで充分だよ!!ただでさえ、御影さんから白い目で見られるのに!
「はは、いつもお疲れ様」
通り過ぎる時に横でそんなことを言って、ほんの一瞬だけ私の頭を撫でる茅ヶ崎さんは相変わらず狡い。
「…茅ヶ崎さんもお疲れさま」
小さくつぶやくその言葉は本人に聞こえているのか否か。
夜、もう少しである曲の歌詞付けが終わりそうな時に扉が開かれた。後ろを見ると、まさかの茅ヶ崎さん。
「A効果ワンチャン、ガチャ引いて」
「仕事中です」
「これも仕事だと思って」
引き気味に茅ヶ崎さんのスマホをタップしてガチャを回すと色々な意味で発狂している茅ヶ崎さん。それを横目で見てからヘッドフォンを付けて、また作業に集中した。
「ねぇ、Aー」
「なに」
「暇なんだけど」
「もうちょっとで終わるから待ってください」
今、未完成のこの曲を茅ヶ崎さんに見られるのだけは避けたい。
「………あ、できた」
「っしゃ、やっと終わった」
自分が付けていたヘッドフォンを茅ヶ崎さんに付けて、パソコンのEnterキーを押す。
ヘッドフォンから音漏れしている微かな音を聞いて、満足気に笑った。当の茅ヶ崎さんは驚いた顔をしていた。
「…なにこれ」
「茅ヶ崎さんハッピーバースデーソング?」
「今までこの曲作ってたの?」
「サプライズってことで」
そう言うと、茅ヶ崎さんはギュッと抱きついてきた。
「今まで放置された分、構ってよ」
「うわ、めんどくさい大人」
「ねぇ聞こえてるから」
いつまで経っても私達はラブラブにはならないみたいです。
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はゆー(プロフ) - あゆみさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です!(*´ `*)これからも、ろい様と力を合わせて更新をがんばっていきたく思っておりますので心待ちにして頂けますと幸いです。あゆみ様をキュン死にさせてみせますのでよろしくお願いします、、!笑 (2019年4月28日 19時) (レス) id: 6a466921ec (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 毎回めちゃめちゃいいお話ありがとうございます…!!1話読み終わる度に投票してもうしてあるので失敗するという流れを繰り返してます…次の更新も待ってます!! (2019年4月28日 1時) (レス) id: bf0195af74 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 灯無さん» く、口から血が……!?ですが、キュンキュンは抑えません!(笑)これからもドキドキ、キュンキュン全力で恋のサンプルをお届けします! (2019年4月1日 21時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
灯無 - ろいさん» いえいえ!良かったです(^ ^) これ以上キュンキュンすると口から血が出そうです。楽しみに待ってます! (2019年3月31日 22時) (レス) id: 126e456bd1 (このIDを非表示/違反報告)
ろい(プロフ) - 灯無さん» ご指摘ありがとうございます!めちゃくちゃ無意識でした!これからははゆーちゃん様と合わせます!更新楽しみにしておいてください、キュンキュンさせてみせます(真顔) (2019年3月31日 16時) (レス) id: 221a5d6f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆろい x他1人 | 作成日時:2019年3月31日 2時