お絵描きの間 ページ2
インクの染みから這い出て来た、という表現で良いのだろうか。兎に角、私はあの白い空間から抜け出し、紙が沢山吊り下げられてある場所に連れて来られた。
「私たち...浮いて、る？」
「うん、ここはちょおっと特殊なところでね！まぁそれは置いといて、」
"インク"は気にも留めない様子で、泳ぐようにして前進していった。
疲れないのかな、その移動方法。
「おォーーーい！！！"フリスク"ーーー！！！いたら返事してーーー！！！」
なんてことを思っていたら唐突に"インク"がかなりの大声で誰かの名前を呼び始めた。
「他に誰か、いるの？」
「僕がいるね」
「！」
急に後ろから声がしたのでびっくりして振り返れば、人間の色をしていない、私と同じぐらいの子供が腕を組み、仁王立ちしていた。その表情はどこか怒っているような。
「あ！！"フリスク"！！そっちにいたんだね！」
「そうだねうん。それでこの子は僕の制止も聞かずに、見ず知らずの世界に飛び込んで行った君が見つけた誰かさんかな？」
「あれ、そうだったっけ？えへへ、忘れちゃった」
「君をわざわざオメガタイムラインに連れ帰らなくっても良いのだけれど？」
「"ドリーム"に怒られても知らないよ？」
「どっちも叱られておあいこじゃない」
「...？あの......？？」
このままだと二人の言い合いが長引いてもっと大きな喧嘩になりそうだったので、とりあえず声を掛けてみた。
「はぁ...。まぁ良いや。罰は充分受けたようだし」
「どういう意味かな？？フリスク？？」
「自分の頭で考えな。というかそんなの分かるでしょう」
後ろでニコニコしてる(ただし圧が凄い)"インク"を置いて、"フリスク"は尚も嫌味を言いながら私の方へと近づいて来た。
「まずは自己紹介かな。はじめまして、僕の名前はコアフリスク。よろしく」
「...うん。私はハル。貴方は、"インク"の友達？」
「まぁそんなものかな...。なかなかどうして、彼は手がかかるけれどね」
「せめてそういう話は本人が居ない所でした方が良いんじゃない？」
「わざと君に聞こえるように言っているんだよ」
「むぅ...」
"インク"はぷくぅっと両頬を膨らませて不機嫌を表した。というか彼スケルトンなのにほっぺた膨らませられるの...？
「突然だけど、君の世界は君以外誰も居ないんだったよね。提案なんだけど、僕たちのチーム...光AUに入らない？」
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作成日時：2022年11月19日 0時
