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【A】


ふと声がして、振り返るとカラオケに行ったはずの甲斐軍団が。


『いつから居たの…??』


甲斐「じゃあ、彼氏の好きな所は?って聞いたところ」


『うん。結構前からだね。…ってなんで教えてくれなかったの!』


涼音「だって、Aが須永の事喋ってる時の顔が本当に幸せそうだったもん。」



愛華「ちゃんと写真も撮ったからね。見てほら。」



愛華のスマホを見ると、頬が緩んで口角が上がりながら喋ってる時の私の写真。

写真の隅にはちゃっかり須永くんも写ってた。



『すぐに消してよね!』


愛華「嫌だよ〜(笑)」



もう一度後ろを見てみるけど須永くんは廊下の壁に俯いてもたれてるまま。


気まづい……


石倉くんが須永くんになにかを笑いながら指摘すると、須永くんに殴られてた。



須永「なぁ。今日ごめん。」


中尾「いいよ。」


甲斐「楽しめよ。」


石倉「また明日な〜!」



何をするかと思ったら教室に入ってきて私の手を取り廊下に出る。

少ししたところで足が止まり



須永「お前ら、後でAの写真送れよ。」


愛華「しょうがないね(笑)」


『え、ちょ、須永くん??』



須永くんの顔を見たいけど、前を向いてて分からない。


怒ってる?




校門を出て帰路に着くと、急に歩くスピードが遅くなった。





『カラオケ……良かったの?』


須永「あぁ。」


『どうして?』


須永「気分…変わったから。」


『須永くんって気分屋だったっけ?』


須永「お前はアホか。」


『え?』


須永「……Aと帰りたいって思ったから。」




須永くんの言葉でいまさっき須永くんの目の前でベラベラと喋っていたことを思い出す。



『あっ……あれは!違くて!その……えっと…』


須永「あんなふうに、思ってくれてたんだ。」



ゆっくり横を見上げると、微笑みながら前を向いている須永くん。
耳はほんのり赤いみたい。



『須永くんって可愛いね。』


須永「はい?」


『ううん。なんでもないっ♪』



なんか、今は私が須永くんを操ってるみたい。

いつもは須永くんの言う通りに動いてるのに。



須永「それにさ…」



急に立ち止まり



須永「賢くんって呼んで欲しい。」



また須永くんの言動で恥じらいも持たずに賢くんって連呼してる自分を思い出す。



『あ、いや、』


須永「諏訪達の前では言うのに、なんで俺の前だとダメなの?」


『だって、恥ずかしいんだもん… 』


須永「賢くんって言って。」

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作者名:ルテラ | 作成日時:2020年1月8日 17時

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