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【A】
キィ……
須永「あ、きたきた。」
『どうも…』
ドアを軋ませながら開くと屋上には既に須永くんが。
ボコられないか恐る恐るゆっくりと前に進んでいく。
須永「何怖がってんの(笑)」
『ぼ、ボコられないかと……』
須永くんは一瞬驚いた顔をするけど、すぐに笑顔に戻り
須永「そんな事しないから。ほら。」
『ゎ……』
須永くんに腕を引っ張られて、上からグラウンドを眺める。
というよりもずっと腕を掴まれてて、凄く密着してるから、須永くんの匂いがよく分かる。
……変態かよ。
グラウンドにはサッカーの練習をしている部員達とマネージャーの応援の声。
須永「Aって部活何入るの?」
『私、不器用だし、運動神経悪いから……普通に、帰宅部に…』
須永「じゃあ俺と一緒だな。」
頭をポンポンされるけど、どうして須永くんがここに呼んだのか分からない。
『あの…ここに呼んだ理由って…?』
須永「あぁ、そうだった…(笑)」
須永くんは思い出したのか咳払いをして、こっちを向く。
須永「あのさ、俺、入学式の時にAに一目惚れした。だからさ、付き合って欲しい。」
『え、?』
須永「返事は、今度でいいから。」
じゃ、と小さな声で呟きながら屋上から出ていった須永くんを私はただ見守る事しか出来なかった。
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作者名:ルテラ | 作成日時:2020年1月8日 17時