切れ者男子と天使系女子 (ページ12)

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【A】

賢《もうすぐ着く。待っててね。》

『うん……！』

それから数分

賢《あ、みーつけた。》

その声と共に切られた電話。

きょろきょろと辺りを見渡すけど、賢くんの姿はどこにもない。

そう思ってた時。

ｷﾞｭｯ

後ろから不意に暖かみを感じた。

賢「…お待たせ。」

『遅いよ、ばか…』

賢「しょうがねぇだろ。家から結構かかったんだから。」

『あ…ほんとにごめんね。』

賢「大丈夫。俺が迎えに行くって言ったんだし。」

『じゃあ、帰る時一緒にコンビニ寄ろ？好きな物買ってあげる。』

賢「さんきゅ。」

手を繋いで帰ろうとした時

賢「あ、帰る前に。」

その声が聞こえた瞬間、私の体は賢くんの方に向いていて、世にいう顎クイをされた。

賢「ちゃんと待てたご褒美な？」

腰を引き寄せられ、数秒間の長い口付けを何度もした。

……てか、ここ墓地なんだけど…

賢「アイス、奢れよ。」

『……分かった。…ほら、いこ？』

と手を出すと素直に手を重ねてくれる。

アイスよりも甘く、濃厚な口付けをしたある日のことでした。