とをあまりふたつ ページ13
私はその場で倒れた
村人たちと一緒に
喉が痛い
口から血が出てくる
痛い
眠い
もう寝ちゃおうかな
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甚爾side
ここはどこだ
適当に歩いていたら変な場所に着いた
山奥だな
…血の匂いがする
俺の足は自然と血の匂いのする方向へ進んで行った
なんだこりゃ、
集落のやつら全員死んでんじゃねぇか
お、全員じゃねぇ
ガキが1人生きてやがる
特に何も考えず俯いて倒れているガキを仰向けにした
こりゃ呪言師だな
しかもこの年齢にしては相当の使い手だ
金になりそうだな、連れて帰るか
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涼side
なんかゆれてる
あったかい
起きようとしたのにまた眠くなっちゃった
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甚爾side
ガキを連れて帰って手当をしたが目を覚まさねえ
ま、しばらくすれば目を覚ますか
ｺﾞｿｺﾞｿﾞ
起きたか
ガキは体を起こし目をぱちくりさせながらあたりを見回した
するとまた横たわって目をつぶろうとした
ペシッ
甚「寝んな」
ガキは喋らない
そうか、喋れないのか
甚「おいガキ、否定は「あか」で肯定は「あお」
でいいだろ。」
今考えたけどな
涼「…あお」
甚「そうだ。お前賢いな」
涼「あお」
甚「はっ、おいガキ。字はかけるか」
ガキは怪訝な顔をして
涼「あか」
と答えた
甚「わかった。お前何歳だ」
ガキは無言で指を1本折り曲げた
4歳か、
甚「文字は俺が教えてやる。代わりに俺の仕事を
手伝え」
涼「あお」
するとガキは俺の手を取り指でなぞり出した
甚「自分の名前か」
涼「あお」
首を縦に振りながら応えている
甚「へぇ、りょうっつうのか
漢字は？」
またもや怪訝な顔をして
涼「あか」
と答えた
甚「じゃあお前の漢字は涼だ」
ガキは何も言わずに首を傾げるだけだった
甚「ま、字が書けるようになったら教えてやるよ」
あいつと恵から離れて欠けた感情を埋めたのはこいつだった
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まっちゃ - すごく面白いです。更新待っています (2021年5月12日 17時) (
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作者名：りょぴ | 作成日時：2021年1月1日 14時
