104話 それ相応の対応を ページ6
「っ…!」
Aは顔面めがけて伸びてきたクロロの手首を本能的に掴んで手が顔に触れるのを防いだ。
「ほう…」
クロロは自分の攻撃が止められたにもかかわらず、Aに感心し、そして何故か嬉しそうであった。
だが笑顔だったのも束の間、
クロロは別に手を止められてもいいと思っていた。
なぜならAの力に押し勝ってそのまま顔まで自分の手を持っていけばよかったからだ。
そういうわけでクロロはAに右手首を掴まれたままなのを気に留めず、手を顔へ近づけようとした。
だが、自分の保身に必死のAが大人しくやられてあげるわけもなく、Aはクロロが力を入れるのと比例するように相手の手首をギリギリと握り潰した。
しかし、念能力を使わないでの肉体同士の力勝負。
女のAと男のクロロでは元々の筋肉量が違う。
マチ位鍛えていれば話は別かもしれないが。
時間が経つにつれて着実にクロロの手がAの顔に近づいていた。
だが、ある一定の距離までクロロの手が伸びてくるとAは肘を壁につけて肘を立たし、これ以上クロロの手が顔に接近してこないようにした。
「このままじゃラチがあかないな…」
そこでクロロは壁についていた左手を離して、こちらの手もAの顔を狙った。
「…!」
しかし第二弾の攻撃もAはギリギリのところでクロロの手首を掴んだ。
お互いに手が塞がった。
本当に力勝負の長期戦になりそうだった。
ギリギリと骨が軋む音が部屋に響く。
「っ〜…ク、クロロ!…昔はあなたに目を差し出しても構わなかったけれど…今は状況が変わった。私にも目的がある…だから、いくらあなたが蜘蛛の団長でも、こんなやり方なら…こちらもそれ相応のやり方を取らざるを得ないのだけれど…っ」
そこでAはクロロの腕を捻って固めてからひとまず逃げようと、腕を握り潰す力の入れ方から手を捻ることへと力の入れ方を変えた。
するとそれとほぼ同時にクロロは手を自分の方へ勢いよく引き戻して、Aの手を自身の手首から解いた。
その勢いにつられたAの体制が少し前方へ傾く。
そしてAにできたコンマ数秒のわずかな隙につけ込んで、今度はクロロがすかさずAの左手首を掴んだ。
「ん、やはりそうか…」
手首を掴むやいなや、クロロは自分の掌に感じた感覚に心当たりを覚えたようで、突然本を読んでいるときのように興味深そうな顔をして言った。
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ダイヤ - 喘ぎ声 (2022年8月5日 22時) (レス) @page41 id: 27e98af43e (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ピポ助さん» コメントありがとうございます!旅団のみんなと夢主さんの理解が繋がる日が書けるといいなと思っているので、また更新したら覗きにきてくれると嬉しいです^^ (2019年10月29日 8時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します!この作品すっごく好きです、、夢主健気、、、旅団のみんなもわかってあげて欲しい!!続きが楽しみです!更新待ってます、頑張って下さい! (2019年10月29日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - なにもしたくない系女子さん» そうなんですか!ありがとうございます^^引き続き楽しんでいただけると嬉しいです^^ (2019年10月27日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なにもしたくない系女子(プロフ) - 更新待ってました!お疲れ様です! (2019年10月27日 18時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月26日 22時