146話 こぼれ ページ48
「お〜A、後ろ、敵きてんぞ〜」
Aの背後に現れたどこかしらのセレブのボディーガードがAに襲いかかっているにもかかわらず、フランクリンは焦りの無い口調で忠告した。
勿論こんなボディーガードごときにAがやられるわけがないための口調だが。
「わかってるわよ」
Aがノールックで腕を振り上げるとその拳は見事に男の顔面にヒットして骨が砕ける音が響いた。そして振り返ると同時に屋上から落下しかけていた男の胸倉を掴んだ。
一瞬死を覚悟した男の顔は引きつっていた。
「クッソおお！怪しい奴らが屋上に登っているからって、ちょっと圧かけてやろうってだけだったのに何でこんな思いしなきゃならねんだよ..!」
こう半べそかきながら喚くボディーガードなど、役に立つのだろうかAはそんなことを思った。
どんな奴が襲ってきたのか調べておく必要があると考えて屋上から男が落ちるのを引き留めたわけだが、こんな弱虫を雇っているところだ、大したことがない。
こんな結論に達したAは掴んでいた胸倉を放しかけた。
「お、おい！は、放すな！助けてくれ！！頼む！」
男は慌ててAの手首を掴んで泣きながら懇願した。
ちらりとAがフランクリンの方を見ると、あちらもこちらを見ていて、どうするんだという視線と目が合った。
「……はあ。」
ため息をついたAを見た男は、この女は渋々自分を助ける気になったのだと汲み取ったようでぱっと表情を明るくした。しかし次の瞬間
腹部に強烈な痛みを感じた。
そして痛みに気付いたころには、視界には先ほどまで自分がいた屋上と真っ黒な空がうつっていた。
どうやらため息は仕事外の男を殺すことの面倒くささからきていたようで、男がAの手首を掴んだころには逆に胸倉は解放されていたらしく、そして腹部の痛みと同時に手首を離してしまったため、男は真っ逆さまに地面まで向っていた。
「うあああああああああ！！！！！」
男の叫びの後、地面と衝突した醜い音が響いて、辺りは静けさを取り戻した。
「もう…無駄な体力を使ったわ」
Aは掴まれた手首をぷらぷらさせながらフランクリンに向き直った。
「けど、ね？見ての通り体調は全く悪くないわ。さっきだってノールックで＿＿＿＿＿＿＿コホっ…！！」
言葉が詰まったAは急いで口元を抑えた。しかし細い指の隙間から何かがパタタ…っと零れた。
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ダイヤ - 喘ぎ声 (2022年8月5日 22時) (
レス) @page41 id: 27e98af43e (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ピポ助さん» コメントありがとうございます！旅団のみんなと夢主さんの理解が繋がる日が書けるといいなと思っているので、また更新したら覗きにきてくれると嬉しいです＾＾ (2019年10月29日 8時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します！この作品すっごく好きです、、夢主健気、、、旅団のみんなもわかってあげて欲しい！！続きが楽しみです！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年10月29日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - なにもしたくない系女子さん» そうなんですか！ありがとうございます＾＾引き続き楽しんでいただけると嬉しいです＾＾ (2019年10月27日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なにもしたくない系女子(プロフ) - 更新待ってました！お疲れ様です！ (2019年10月27日 18時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月26日 22時
