129話 なぜ蜘蛛に ページ31
マチもAが言う情景を思い浮かべながらAの正体について考えた。
「…待って」
マチは景色を鮮明に思い浮かべたところで突然真剣な顔をして制止した。
そして「あんたまさか…昔あそこら一帯を支配していた貴族の…」と恐る恐るきいた。
Aは1番な答えにたどり着くまでわざと遠回りな答えになるように誘導をしてきたが、ついにあっさりと話はじめた。
「ふう…そうよ。実は私…結構いいところの子供だったかもね？」
「へえ…そうかい…」
マチは自分たちと生い立ちが違うAにどう接すれば良いのか困ったような返事をした。
しかし暫く冷静に聞いていたパクノダはふと何かに気がついたようでAの方にずいっと身を乗り出した。
「A、」
「何…？パクノダ…」
Aはパクノダも戸惑って自分の名前を読んでたのかと思って不安げに聞き返した。
しかし、パクノダはそんなことを気にしているわけではなかった。
「あなた…流星街出身ではなくて貴族階級出身の人間なのよね？」
「ええ」
「じゃあ…言い方が少し悪いけれどあなたは普通の存在する人間よね？」
「ええ」
パクノダは何かを確かめるように１つづつゆっくりと質問をしていった。
「じゃあつまり…あなたは…ちゃんと存在する人間……つまり戸籍を持っているのよね？」
Aはここでパクノダが自分に何を言いたいのかを察して、口を閉ざしたいことのかわりに唇を少し噛んだ。
そして少し間をためて「…ええ」と同じように答えた。
ここでようやくマチはパクノダがAとの接し方についての不安より大事なことを気にしていることに気づいた。
そしてここで再びマチは割り込んだ。
「ちょっとAっ！あんたなんで…蜘蛛に入ってきたの」と。
マチが少し怒ったような口調でこのように聞いてくる理由がAにはわかっていた。
賞金首としての活動をする蜘蛛にとって戸籍などの自分の存在を示すものが世に出回っていると行動に酷く制限がかかるし、賞金首ハンターなどに足が付きやすくなる。
つまり蜘蛛を…仲間を危険に晒すリスクが高まる。
それをマチとパクノダは指摘しているのだ。
だがAはこのような事態は想定済みであった。
だから慌てることなく落ち着いた目で2人を見た。
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ダイヤ - 喘ぎ声 (2022年8月5日 22時) (
レス) @page41 id: 27e98af43e (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ピポ助さん» コメントありがとうございます！旅団のみんなと夢主さんの理解が繋がる日が書けるといいなと思っているので、また更新したら覗きにきてくれると嬉しいです＾＾ (2019年10月29日 8時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します！この作品すっごく好きです、、夢主健気、、、旅団のみんなもわかってあげて欲しい！！続きが楽しみです！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年10月29日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - なにもしたくない系女子さん» そうなんですか！ありがとうございます＾＾引き続き楽しんでいただけると嬉しいです＾＾ (2019年10月27日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なにもしたくない系女子(プロフ) - 更新待ってました！お疲れ様です！ (2019年10月27日 18時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月26日 22時
